多才すぎ!『テッド』監督、新作アルバムをリリース
テレビアニメシリーズ「ファミリー・ガイ」や映画『テッド』シリーズを手掛け、アカデミー賞の司会も務めるなど多才なセス・マクファーレンが、自身のアルバム「イン・フル・スウィング(原題) / In Full Swing」について、12月18日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
同アルバムには、ナット・キング・コールの楽曲「Almost Like Being In Love」や、映画『トップ・ハット』で歌われたフレッド・アステアの楽曲「Isn’t This a Lovely Day」、ジョージ・ガーシュウィン作曲の「For You, For Me, For Evermore」などを含む全16曲が収録されている。
これまでに3作のアルバムを手掛けてきているセスだが、それらと今作の違いについて「素晴らしいアメリカの楽曲を掘り下げながら、これまで死ぬほどカバーされていない楽曲ばかりを選ぶという点については、今作も他のアルバムと変わらないね。それぞれがコンセプト・アルバム(ある一定のテーマや物語に沿った楽曲によって構成されたもの)になっているんだ。前作は哀愁のある物悲しいバラードで構成されていたけれど、今作はアップテンポでスウィング調の楽曲がテーマとして収録されているよ」と説明した。
これらの楽曲に興味を持ち始めたきっかけについては「僕は、作曲家ジョン・ウィリアムズやジェリー・ゴールドスミスなどの映画の楽曲が大好きなんだ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の1950年代の楽曲などもクールだったし、『ラジオ・デイズ』で使用されていた1940年代の楽曲が気に入って、祖父にこれと同様の楽曲を(レコードで)持っているか聞いたりもしたよ。祖父からは多くの1940年代のレコードコレクションをもらったりもしたんだ」と映画音楽からの影響が大きかったことを明かした。
アルバム制作のアプローチについては、「まずは古いアメリカの楽曲を収録した本、古いブロードウェイのアルバムや有名なバンドのレコーディングなど多くのソースを探索したよ」というセス。自身が制作したテレビアニメシリーズ『アメリカン・ダッド』やSFコメディードラマ『ジ・オーヴィル(原題) / The Orville』を手掛けたジョエル・マクニーリイに、「アルバムを手掛けないか」と言ったのが始まりだったそうだ。以来、ジョエルはセスと4枚のアルバム全てでタッグを組んできており、今作でも編曲を担当している。「彼はジャズのバックグラウンドがあって、テレビシリーズ『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』に多くのジャズ調の楽曲を提供しているんだ。今作は、フランク・シナトラの楽曲を編曲したネルソン・リドルにも影響を受けていて、レコーディングの魂になっているよ」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)