お正月映画は子供向け映画ではない ここ5年のヒット傾向は?
2018年が幕開けて、正月休みの社会人や親、冬休みの子供たちが向かう“お正月映画”。学校も休みの時期だからこそ、夏休み映画のように子供向け・ファミリー映画が上位になりがちかと思いきや、最近の動員の傾向を見ると、お正月映画=ファミリー映画という図式でもなさそうだ。
ここ5年の間における正月時期の土日に集計された全国映画動員ランキングを見てみると、トップに入った作品は『バイオハザード:ザ・ファイナル』(2017年)、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2016年)、『ベイマックス』(2015年)、『永遠の0』(2014年)、『ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット』(2013年)。特に2015・2016年に関しては、前週の動員ランキングで1位だった『映画 妖怪ウォッチ』シリーズを抜いて、首位に入ったという流れもある。
さらに面白いのは、2017年のランキングでは『バイオハザード:ザ・ファイナル』の後には、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と『君の名は。』が続く形になったこと。そして正月明けの土日となった次週で『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』が返り咲いたことだ。“正月”に関しては、子供と一緒の家族連れよりも、正月で仕事休みの大人グループの方がより映画館へと足を運びやすい……? その後にくる“学校の冬休み期間”こそ、子供向け映画の本領発揮となるシーンなのかもしれない。
なお2014年の『永遠の0』も、次点の『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』を抑えて首位を取り、同年『ゼロ・グラビティ』が前週からランクアップした形で3位に入っていた。
これらを見るに、今年もお正月映画として1位に輝くのは大人ファン層が厚い『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』なのだろうか。今年は土日が2017年の12月30・31日と重なってしまったため、年明けのお正月というよりも“年末映画”として最初の結果が発表されることになりそうだが、お正月にどのような映画が前に出て来るのか楽しみだ。(編集部・井本早紀)