声優・鶴ひろみさんのお別れの会が実施…祭壇にはドラゴンボールが
人気アニメ「ドラゴンボール」のブルマや、「それいけ!アンパンマン」のドキンちゃんで知られる声優の鶴ひろみさんのお別れの会「鶴ひろみを送る会」が13日、青山葬儀所で行われ、戸田恵子、野沢雅子ら、故人にゆかりの深いおよそ400名の関係者が来場、鶴さんをしのんだ。
昨年11月16日夜、東京都内の首都高速上に停車中の車内で意識不明の状態で見つかった鶴さんは、大動脈解離のため搬送先の病院で死亡が確認。57歳という早すぎる訃報に、多くの人たちが驚きと悲しみに包まれた。
この日のお別れの会は、鶴さんの所属事務所・青二プロダクションの古市利雄社長、野沢雅子、戸田恵子、中尾隆聖、渡辺菜生子らを発起人として実施。「ドラゴンボール」のエンディング曲「ロマンティックあげるよ」などのオルゴール曲が流れる中、ドキンちゃん声優を引き継ぐ冨永みーなをはじめ、TARAKO、田中真弓、古川登志夫、堀川りょう、古谷徹らおよそ400人もの仕事仲間が来場し、鶴さんをしのんだ。
故人が好んでいたという紫を基調としたバラ、カーネーション、スイートピーなどで彩られた祭壇には、2005年に撮影された写真が飾られ、周辺には鶴さんの代表作であるドキンちゃん、ブルマの写真、そして風船で作られたドラゴンボールが飾られた。
人気ドラマ「コメットさん」でデビューを果たした鶴さんは、子役として活躍。高校3年生の時に「ペリーヌ物語」で声優デビュー。1982年に現事務所に移籍後、本格的に声優としての活動を行うようになった。その後も「きまぐれオレンジ★ロード」「らんま1/2」「GS美神極楽大作戦!!」など数々の人気キャラクターを演じて、声優として不動の地位を確立。中でも、人気アニメ「ドラゴンボール」のブルマ、「それいけ!アンパンマン」のドキンちゃんは彼女にとっても生涯を共にする代表作となった。また、テレビ番組のナレーションや舞台にも精力的に出演するなど、亡くなる直前まで幅広く活躍した。
この日の式で、古市社長は「女性に使うのはおかしいかもしれませんが、彼女の印象は、ものすごく男前、二枚目だなと。そういう印象がずっとありました。いつもキリっとした方で、声優の仕事も舞台の仕事も、いつも全力で走っているような、そんな感じでした。本人はそんなに力んでいる姿は見せないんですが、その全力の姿にいつも感動していました。舞台も一生懸命やっていたのに突然幕が引かれてしまいました。とても心残りです。残念でなりません。皆さんにはこれから献花をお願いしますが、その時は、彼女の、爆笑するような笑い声やニコニコした笑顔を思い浮かべていただきたいと思います。そして、こうした花を見たときに、彼女の思い出が心に浮かんでくださるように、そのことをお願いします」と来場者に呼び掛けていた。(取材・文:壬生智裕)