斎藤工、高橋一生に“恋心”
俳優の斎藤工が3日、「齊藤工」名義で監督を務めた映画『blank13』初日舞台あいさつに高橋一生と共に登壇し、高橋に“恋心”を抱いていたことを告白した。イベントには、神野三鈴、リリー・フランキーも登場した。
放送作家・はしもとこうじの実体験を基にした本作は、13年前に借金を残して蒸発したコウジ(高橋)の父(リリー)が、余命わずか3か月の状態で発見されたことから、再び動きだす家族の物語を紡いだヒューマンドラマ。国内外の映画祭に出品され、合わせて6冠を獲得した話題作だ。
「監督という響きは本当に重厚で、偉い人なんじゃないかという気がします」とはにかみつつ、「独創的な映像でもセンスがあるわけでもないが、一生懸命に作り上げた」という本作の初日を心から喜ぶ齊藤監督。
キャスティングについて話しがおよぶと、本作で初タッグを組む高橋らを「一方的に、だいぶ前から心を動かされて、一種の恋心のようなものを抱いていた方たち」と表現し、「映画監督をするのは最初で最後だろうと思い、どうせなら……と好きな人に声をかけさせていただきました」と打ち明けた。
そんなラブコールを受けて主演を務めた高橋。これまで、撮影前に監督と話し合いの時間を設けたことはなかったが、齊藤監督とは映画の趣味などから入り、いろいろな話をしたそうで、それによって作品に向けてのベクトルができ、役へのアプローチの助けになったことを明かすと、「ご一緒できたのはご縁だし、幸せに思っています」としみじみと語った。
母親を演じた神野も「3、4か月くらいの撮影期間で一番印象的なのは、監督が幸せそうな顔をしてくださったことが、とっても嬉しかったし、安心でしたし、絶対的な幸福感に包まれていました」と吐露。また、「自分のような自分でないような、芝居をしている意識から離れることができたのは、監督がそういう世界を作ってくださったから」と話し、監督としての手腕を称賛した。
この日は「今年こそ呼び込みたい福」を発表する場面もあり、齊藤監督は「必要な人」と紹介。そして、「普段なら、テレビに取り上げられそうなドギツイことや、モザイクがかかりそうな絵とかを書くんですけど、今日は真面目に」と切り出すと、「観て下さった中で、『この映画が(自分にとって)必要だった』という方が何人もいらっしゃった」と説明し、「そういう人たちに、この映画が届くことを祈っています」と心を込めた。(取材:錦怜那)
映画『blank13』は全国公開中