酷評呼び掛け…アンチ『ブラック・パンサー』団体のページ削除される
16日の全米公開を控えるマーベル映画『ブラック・パンサー』(日本公開は3月1日)をアメリカの大手批評サイト「ロッテントマト」で酷評するよう呼び掛けていた団体のFacebookページが削除された。The Hollywood Reporter などが報じた。
『ブラック・パンサー』は、主要キャラクターがほぼ黒人キャストで占められた画期的なディズニー/マーベルの新作。前売りの売れ行きなどから早くも大ヒットが予想されており、オープニング興行収入は1億3,000万ドル~1億5,000万ドル(約143億円~165億円)程度になるのではないかとみられている。
そんな中「ディズニーのフランチャイズとそのファンを倒せ」という団体が、「ロッテントマトで『ブラック・パンサー』を酷評しよう」運動をFacebook上で開始(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でも同様の運動を行っていたという)。同団体は、ディズニーが批評家を操ってDC映画(『ジャスティス・リーグ』『スーサイド・スクワッド』など)についての悪いレビューを書かせていると主張し(ディズニーのマーベル映画に比べ、ワーナー・ブラザースのDC映画は同サイトでの評価が低いことで知られる)、その報復としてロッテントマトでの『ブラック・パンサー』の観客のレビューを酷評ばかりにしようというのだ。3,700人ほどがこの運動への参加を表明していた。
この事態を受け、ロッテントマトは「われわれは、ロッテントマトが情熱的なファンたちにとってエンターテインメントを討論するプラットフォームとなったことを誇りに思い、その責任を負っています。ファンの多様な意見は尊重しますが、ヘイトスピーチを許容することはできません。われわれのセキュリティー、ネットワーク、ソーシャルの専門家チームはサイトを注視しており、そのような行動に関わるユーザーはブロックし、彼らのコメントは迅速に削除します」と声明を発表。Facebookもすぐさま同団体のページを削除し、「われわれはヘイトスピーチといじめに反対で、どちらもわれわれのプラットフォームで行うことを許すことはできません」とコメントを出した。『ブラック・パンサー』が正当な評価を受けられるよう祈るばかりだ。
なお「ロッテントマト」については、『スーサイド・スクワッド』(2016)に酷評のレビューが相次いだことに激怒したDC映画ファンが、同サイトの閉鎖を求めるオンライン署名運動を行ったことも話題に。映画批評を単純化・数値化することへの疑問を投げかける映画人も少なくなく、マーティン・スコセッシ監督が「真剣なフィルムメイカーにとって、こうしたサイトは敵意に満ちている。ロッテントマト(腐ったトマト)という名前からして屈辱的だ」と語ったこともある。(編集部・市川遥)