二階堂ふみ、岡崎京子の傑作コミック映像化作品公開に感無量
女優の二階堂ふみが18日、TOHOシネマズ 新宿で行われた映画『リバーズ・エッジ』公開記念舞台あいさつに来場、長きにわたり映像化を熱望したという本作がついに公開され、晴れやかな顔を見せた。
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漫画家・岡崎京子の最高傑作の呼び声も高い同名コミックを実写化した本作。現在開催中である、ベルリン国際映画祭のパノラマ部門オープニング作品にも選出されており、現地時間15日に行われたレッドカーペットイベントやティーチインイベントには、二階堂、吉沢亮、行定勲監督の三名が参加。17日に帰国したばかりだったという。
ベルリン国際映画祭初参加となった二階堂は「緊張しました」と振り返りつつも、「この映画でベルリン映画祭に行くことができて幸せだなと思いながら、レッドカーペットを歩きました」と笑顔。「映画を見終わった後のQ&Aも、ここをこういう風に解釈するのかとか。わたしたちの方が気付かされることが多くて。ひとつの映画でこんなに多面的なものを見せられるのは海外ならでは。刺激的な時間でした」と充実した表情を見せた。
一方の吉沢は映画祭初参加だったという。「もっと敷居の高いところだと思っていたのですが、お祭りというか。楽しそうにワイワイやっているのがいいなと思って、これだけ映画好きが集まる場所ってなかなかない」と語った吉沢は、「上映はドキドキしましたね。そこで笑うんだというところで笑いがおこったり。シュールなところは素直な反応というか。面白い発見でした」と思うところも多かった様子。
同映画祭には、5度目の選出となった行定監督は「(上映のチケットは)即日完売だったみたいで。ティーンの映画というと、エッジが丸いものという印象があるが、この映画はそうじゃなくて刺さっている。それこそ映画のあるべき姿だと思う。この映画を選んだベルリンも勇気があるなと思って。感動しました」と振り返った。
さらに「二階堂ふみと出会って。彼女の『自分がハルナを演じるにはもう時間がない』という思いに僕らが火をつけられて。挑戦状を突きつけられたような気持ちになった」とコメントした行定監督は、「この映画が完成するということも、作られるということも奇跡的なこと」としみじみ。
そしてその思いは、16歳の時に原作に出会い、映像化を夢見てきた二階堂も同様だったようで、「本当にかなうものだなというか。最初の衝撃もそうだし、やりたいと言葉に出す大切さもそうだけど、やっぱりこの7年の間に、行定監督、小川真司プロデューサーやキャストの方々、主題歌を書いてくださった小沢健二さん、そして劇場を通して皆さんにも出会うことができた。わたしにとっても大切な作品になったと思います」と語る二階堂の姿に、会場も拍手。その様子を見た二階堂は「今日はよく眠れそうです」と満足げに付け加えた。(取材・文:壬生智裕)
映画『リバーズ・エッジ』は全国公開中