韓国版『リトル・フォレスト』日本版とココが違う!
五十嵐大介の同名漫画を韓国で実写映画化する『リトル・フォレスト(原題の日本語訳)』のマスコミ向け試写会が20日、ソウル市内の映画館で行われ、試写会後にイム・スンレ監督、出演者のキム・テリ、リュ・ジュンヨル、チン・キジュが登壇。スンレ監督が日本版との変更点について明かした。
原作は、日本でも2014年、2015年に橋本愛主演により2部作で映画化されている。ソウルで暮らすヘウォン(キム・テリ)は都市の生活に疲れ、幼いころに過ごした村に戻ってくる。そこには幼なじみのジェハ(リュ・ジュンヨル)、ウンスク(チン・キジュ)が暮らしており、彼らとの友情と地元住民との触れ合いを通してヘウォンの心は癒やされていく。
韓国版では国の実情に合わせて大胆に脚色されており、スンレ監督は、「日本版では主人公が子供のときに母親が家を出て行く設定でしたが、韓国では幼子を置いて出ていくことは到底受け入れられません。そこで母親が出て行くタイミングを、ヘウォンが大学受験を終わってからに引き上げました。また日本版では(夏&秋・冬&春の)2部作ですが、韓国ではテンポのよい展開が好まれるので一本にまとめ、ヒロインのペットを猫から犬に変更しました。犬の方が防犯面で心強いですからね」。
一方、主演のヘウォンを演じるのはパク・チャヌク監督の官能ミステリー『お嬢さん』(2016)で1,500倍の競争率からキャスティングされ、一躍スターダムに躍り出たキム・テリ。『お嬢さん』が公開されてからも、それほどキャスティングの提案はされていませんでした」と笑いながら裏話を披露。「シナリオが奇抜で1年間撮影する映画に惹かれました。1年間の撮影を通じ、共演者やスタッフとも仲良くなり、古くからの友達のような印象を受けました。1年間の撮影を通じてわたし自身変わりまし、これからも変わっていくと思います」と撮影を振り返った。
スンレ監督は「韓国映画は大作、派手な物語ばかり作られており、癒やしを与えるような作品がありません。都会で暮らしている人たちのヒーリングになる映画です」と作品の魅力をアピール。スンレ監督は実際に農業を営みながら暮らしており、「田植えのシーンや野草を採ってこいとスタッフに命じても要領を得ない。仕方なく、自分で実践してみせた」という。本作は、2月28日より韓国で公開される。(取材・文:土田真樹)