藤原紀香、ナレーションで涙 東日本大震災から7年
東日本大震災から6年後の東北各地で生きる人々を、美しい映像と共に包括的に捉えたドキュメンタリー映画『一陽来復 Life Goes On』(全国順次公開中)の公開記念舞台あいさつが4日、都内で行われ、ナレーションを担当した女優の藤原紀香が出席。東北の震災のことを思い、ナレーション中「いろいろなことが心に突き刺さって涙が出てきました」と明かした。
藤原は尹美亜監督と一緒に登壇すると「震災から7年たった今、自分にどんなことができるか考えましたし、こういう作品に参加させてもらって本当に嬉しい」とコメント。「東北のことに思いをはせていても、忙しくてなかなか東北に足を運べなかったり……。そういう人が多いかと思いますが、こういう映画がそんなわたしたちと東北の距離を埋めてくれる役割を果たしてくれると思います」と語る。
藤原自身、復興支援に尽力し、東北に足しげく通う芸能人の一人。阪神・淡路大震災を経験し、震災を経験した人の気持ちを誰よりも理解でき、ナレーション中も映画の内容に涙を流すことがしばしばあったと回顧。「東北の方に思いを寄せるその気持ちがどうやったら伝わるだろうと思ってやっていました。たいへん勉強させていただきました」と言うと、共にナレーションを担当した山寺宏一とのエピソードも紹介。「山寺さんに後で話を聞いたら、山寺さんも同じように涙声になってしまったって」としみじみ。
監督はそんな藤原の起用について「出演者が多くなると決まった時点で男性と女性にお願いしようと思い、無理だろうけど藤原さんにお願いしたら夢のようなナレーションが決まりました」と述べ、撮影中も映画のロケ先で藤原が東北に通った足跡と出会うことがあったことなどを述懐。藤原も被災地で子供たちと触れ合った時のエピソードなどを振り返り「震災を風化させまいと語り部バスを通じて思いを伝え続ける人がたくさんいる。わたしも今度ツアーを組んで一緒に行こうかなって思っています」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)