ムロツヨシ、幼少期は「悲壮感消す作業」していた
ユニバーサルスタジオとドリームワークスアニメーションが組んだ映画『ボス・ベイビー』の初日舞台あいさつが21日に都内で行われ、日本語吹き替え版で声優を務めるムロツヨシ、芳根京子、宮野真守、乙葉、石田明(NON STYLE)、山寺宏一が登壇。ムロが「悲壮感を消す作業」をしていたという幼少期のエピソードを明かしたほか、登壇者それぞれが「それ、言っちゃっていいの?」というギリギリトークを繰り広げる爆笑イベントとなった。
まず口火を切ったのは山寺。ドリームワークス作品の大ヒット作『シュレック』のドンキー役としても知られる山寺は、同作の公開時(2001年)を振り返り「『シュレック』の先行上映会で舞台あいさつしたのですが、お客さんよりスタッフの方が多いって言われたんです。ドリームワークスのアニメには名作がたくさんあるのに、日本ではなかなかでした。でも今日こんなにたくさんのお客さんで、もう、どんどん上がって行く予感がします。あれ、スタッフ、ざわついてる?」と初日の喜びを早口でまくし立てた。
本作は、7歳のティムのもとに「体は赤ちゃん、中身はおっさん」のボス・ベイビーが、弟としてやって来たことから起こる騒動を描いたコメディー。ボス・ベイビー役をムロ、ティム役を芳根、ティム兄弟のパパとママ役を石田と乙葉、大人になったティム役を宮野、両親が務める会社のCEOフランシス役を山寺が務める。
作品にちなんで、登壇者たちは「幼い頃、どんな子どもだったか」をテーマにトークを展開。石田が「とてつもなく暗かったので、友達がいなくて、独特の遊びをしてました。畳の目をただ数えたり、世界地図にアリをはわせて実況したり。親がすごく心配して、よくここまで持ち直したなって家族全員が言ってます」と明かすと、乙葉も「私も独特だったと思うんですが、学校から帰るとき、何回まばたきするか数えたり、どういうタイミングで息をすればいいか、悩んでいました」とシュールなエピソードを連発。ムロが「まばたきは何回だったの?」と聞くと「1,000回超えたら、疲れちゃって。それ以上は……」と答えた乙葉に「(エピソードを)一瞬で超えられた」と石田は悔しがった。
幼少期について、ムロは「子どもの頃、親戚の家に預けられていたので、『僕は幸せです』って顔をずっとしている子でしたね。悲壮感を消す作業、悲壮感という言葉をなくしていく作業を、ずっとしていました。おかげで今がありますから、親戚には感謝してます」と告白。「マネージャーから『あんまり家族の話はしないで』って言われるけど、映画の初日はめでたいですから、どんどん言っていきましょうよ!」と舞台中央で大げさにポーズ。しかし最後に進行役から「それでは締めの言葉を」と求められると、ムロは「僕、主役が初めてだから、締めのあいさつも初めてで。もっと作品を背負った人間として、堂々と立ちたい」などと言いながら、グダグダになって時間切れ。終始、サービス満点のムロに、会場は爆笑となった。(取材/岸田智)