落合モトキ、撮影中は宇野愛海と一言も話さず…その理由とは?
俳優の落合モトキが15日、都内で行われた映画『歩けない僕らは』の完成披露試写会に出席。本作で回復期リハビリテーション病院に2か月間ステイする左半身不随の柘植篤志役を務めた落合は、役作りの過程や主演の宇野愛海との撮影現場での距離感などについて、イベント後に心境を語った。
回復期リハビリテーション病院に勤めて1年目の理学療法士・宮下遥(宇野)が柘植(落合)を担当し、悩みながらも成長していく姿を描く本作。壇上には落合ほか、主演の宇野、共演者の板橋駿谷、門田宗大、メガホンをとった佐藤快磨監督も出席した。
落合は左半身不随の患者役。監督が何度も病院に通って下見を繰り返す中、一度同行させてもらったといい、「患者さんには役作りなのでどんな感じですかと聞くわけにもいかないし、見ることしかできなかったけど、患者さんがどういう動きをするのかを見ていました。例えばどのタイミングでバリアフリーの取っ手などに手をかけるだろうかとか、トイレに行くときはどんな感じだろうかとか」とその様子を明かす。
監督からは「うまくいかないジレンマを自分の姿やシルエットで表現できるようになればいいね」と声をかけられたといい、あとは現場で感極まるシーンなども、実際に感極まるまで待って撮影するなど、監督とのコミュニケーションを大切に進めていったという。だが、自身は実際には体が動かないわけではない。患者の気持ちがわからない部分はわからなかったといい、「リハビリの先生たちにもいろいろ話は聞いていましたけど、デリケートな部分の演技は難しかった」としみじみ。
主演の宇野とは撮影現場で「一切しゃべらなかった」といい、「宇野ちゃんは宇野ちゃんで現場で張りつめていたし、逆に話さないほうがいいんじゃないかって」とその理由を明かし、「現場での(宇野との)距離感はすごく大切だった気がします」とにっこり。佐藤監督は「もし突然自分が歩けなくなったら、大切な人が突然歩けなくなったらということを一年間ずっと考え続けていました。人生は一人きりでは生きていけないというとても普遍的なことに最後はたどり着けたと思います」とコメント。「観ていただく方と一緒にそのことについて改めて考えるきっかけができれば」と本作の公開に期待を寄せていた。(取材・文:名鹿祥史)
『歩けない僕らは』は2019年公開予定