スピルバーグ監督、宮崎駿の世界を絶賛!交流エピソード明かす
最新作『レディ・プレイヤー1』(4月20日全国公開)を引っ提げ、13年ぶりに来日したスティーヴン・スピルバーグ監督が19日、六本木の YouTube Space Tokyo で行われたトークセッションに出席し、会場に招待された若き映像クリエイターやYouTuberからの質問に答えながら、スタジオジブリの宮崎駿監督と対面した際のエピソードなどを披露した。この日は、 タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、森崎ウィンらキャストたちも登壇した。
【動画】俺はガンダムで行く!『レディ・プレイヤー1』本編映像
『E.T.』『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなど、数多くの名作を監督・プロデュースしてきたスピルバーグ監督。まさに伝説の存在とあって、招待客からは「なぜ映画監督になろうと思った?」「多くの人を虜にするアイデアの生み出し方は?」「日本のクリエイターについて、どう思う?」など、矢継ぎ早に質問が投げかけられた。
スピルバーグ監督はこれらの質問に丁寧に回答。日本のクリエイターについては「宮崎駿さんの世界が特に素晴らしい。『千と千尋の神隠し』は、ディズニーのどの作品よりも素晴らしいと思っています」と明かし「11か月ほど前に、アニメーションをやっている僕の娘と一緒に(宮崎監督に)お会いしたんです。スペシャルな体験でした」と笑顔で述懐した。
また、映画に興味を持ったきっかけは「12歳のとき、父の8ミリ(フィルム)カメラを手にして、現実にはなかなかうまくいかないことも、カメラを通せば自分の思い通りになると気づいたから」と話し「電車のオモチャを現実に壊したら、父親に怒られるけれど、フィルムに撮れば、何度衝突させても大丈夫だと思ったんです」と幼少期のエピソードを紹介。さらに「想像力は誰にでもあるもの。イマジネーションにオープンで居続け、アイデアが浮かんだら必ず書き留める。そうすれば、普段の生活の中からでもストーリーが生まれてきます」と創造の秘訣を明かした。
『レディ・プレイヤー1』は、なりたい自分の姿(アバター)で理想の人生をすごせる仮想現実(VR)「オアシス」に人々が現実逃避している、崩壊した2045年の未来を舞台に、「オアシス」創設者が残した56兆円もの遺産争奪戦に挑む青年の冒険が描かれるアドベンチャー。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンや『AKIRA』の金田バイク、ガンダム、バットマン、キングコングなど日米の人気キャラクターが多数登場することも大きな話題になっている。
ちなみにスピルバーグ監督は、本作に登場する日本のキャラクターやマシンの中では、金田バイクが一番のお気に入りとのことで、「タイヤのグリーンフラッシュを忠実に再現しました」と無邪気な笑顔。さらに、最新作に込めたメッセージを問われると、「来日するたび、自分の作品のメッセージを伝えてきましたが、今作については私から何か言うより、皆さんが自分の価値観でメッセージを見つけてほしいと思っています。きっとそれが、私にとってのイースターエッグ(隠されたメッセージ)になるはずです」と回答。また、「映画は文化の壁を越えるんです。映画という共通言語さえ話せれば、私たちの絆は一つに結ばれるんです」と力強いメッセージを贈っていた。(取材/岸田智)