千眼美子、出家後初の映画に誇らしげ「一生忘れない」
宗教家で女優の千眼美子(清水富美加)が12日、映画『さらば青春、されど青春。』(公開中)の初日舞台あいさつを都内で行い、出家後初の映画復帰作となった本作について「一生忘れない、大事な映画になった」と誇らしげに語った。舞台あいさつには大川宏洋、石橋保、芦川よしみ、龍輝、赤羽博監督も登壇した。
2017年に宗教団体「幸福の科学」に出家し、法名「千眼美子(せんげんよしこ)」として神のために生きることを宣言した千眼の映画復帰作となった本作。幸福の科学総裁の大川隆法が製作総指揮と原案を手掛けており、神々とコンタクトを取ることができる青年とその恋人との恋愛模様を描いている。
満席の会場を見渡した千眼は「公開初日ですが、晴れて良かった」と笑顔。昭和50年代の東京を舞台にした本作のメガホンを取った赤羽監督も「今日は映画の中の青春と、自分の青春をだぶらせてご覧ください。きっと懐かしい思い出がいっぱいあると思います」と呼び掛けた。
共演者の千眼について質問された大川宏洋は「千眼さんはすごく真面目な方。現場にいても、まわりの細かいところまで気づいて、気配りしてくれる方」とコメント。それに対して千眼は「大川さんは優しい人。わたしはけっこうおしゃべりなので、いろいろと話しかけてしまった。わたしは生意気なところもあるけれど、すごく人の話を聞いてくれて、優しい人だなと思いました」と振り返った。赤羽監督も「千眼君は演出する側からすると、楽な女優さんでした。スタッフもわれわれも千眼さんを迎える時ははりきっていましたね。その代わり、大川さんを迎える時はみんなしらっとしていましたけどね」と冗談を交えて語った。
また、本作の内容にちなみ「甘酸っぱい思い出」について質問された千眼は、学生時代に好きだったという男子の話を披露。「わたしが通っていた学校は京王線でも小田急線でも行けるところで。好きな男の子が小田急線で、わたしが京王線で通っていたんですけど、彼とすれ違いたいと思って、ちょっと遠かったんですけど自転車に乗って、通学の電車を京王線から小田急線に変えたんですよ」
その甲斐あって、その男子と仲良くなることができたという千眼だが、「彼は線路沿いのマンションに住んでいて。彼は部屋の窓から見えるかな、こっちは電車の窓から見えるかな、という話をしていたんですけど、全然見えなかった」と述懐。「マンションは見えているのに、どうして見えなかったのかなと思ったんですけど、わたし目が悪いのに眼鏡をしていなかったから見えなかったんですよ。眼鏡をかけていたら見えたなと。それが甘酸っぱいなと思いました」と続けた。
最後のコメントを求められた千眼は「去年、出家させていただいて、千眼美子になってから初めての映画作品となりました。そういう意味ですごく大事な作品になりました」と晴れやかな表情。「主人公が何のために自分の人生を、青春の何にささげているのかという後ろ姿はとてもカッコいいものがあって。それは女の子も男の子もお手本にするべき、すてきな人物像が描かれているなと思っています。ひとりひとりに使命があるのは同じことなので、自分が何のために生まれ、何のために生きていくんだろうということを考えられます」と続けると、「目の前にある時間やずっと流れる時間を愛おしく思える映画だと思います。わたしにとって一生忘れない、大事な映画になったと思いますし、皆さんにもそう思っていただけたら」とメッセージを送った。(取材・文:壬生智裕)