樹木希林、自身の受賞知らず…「それなんですか?」
女優の樹木希林が19日、都内で行われた映画『モリのいる場所』(公開中)の初日舞台あいさつに登壇し、北米最大の日本映画祭「ジャパン・カッツ」で国際的に活躍している日本人俳優に与えられる賞「Cut Above Award for Outstanding Performance in Film」の受賞が決まり、祝福されるも、「知らない」と呆気にとられていた。イベントには主演の山崎努のほか、池谷のぶえ、沖田修一監督も登場した。
先日「ジャパン・カッツ」主催のニューヨークのジャパン・ソサエティーが発表した樹木への賞の授与。これについて司会者からコメントを求められた樹木は「それなんですか? 知らない。今初めて聞いた」と呆気にとられると、「あなたが作ったんじゃないの?」といぶかしげな表情もチラリ。ネットニュースになったことを知らされても、「そうなの? そういうのやったことがないから全くわかりません」と断言するが、「なんでも貰えるものはね」と喜びもにじませた。そして、夫でロック歌手の内田裕也に普段から言われているのか、「夫が『しのごの言わずに貰っとけ』と」と話すと、「ありがとうございます」とようやく笑顔を見せて、感謝の言葉を口にした。
また、7月19日~29日まで開催される同映画祭では、本作が目玉となるセンターピース作品として上映されることも決まっているが、それについては沖田監督さえも知らず、「そうなんですね? 僕も初めて知りました」と驚きを隠せないでいた。
本作は30年もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の動植物を観察して描き続けた実在の画家・熊谷守一のエピソードをもとに、結婚50年以上の老夫婦や彼らを取り巻く人々の魅力的な生き方を、あたたかな目線で描き出したオリジナルストーリー。
山崎は一昨年の秋に沖田監督からオファーをもらい、今日まで熊谷守一という人物にどっぷりつかり「守一(もりかず)の漬物みたいになってました」と笑いつつ、「今日でおしまいです。ちょっと寂しいような、本当言うとほっとしたような気持ちです」と胸中を告白。樹木は「二十歳の孫が一人で観に来て、日本語があまり上手じゃないけど『今まで観たことがない映画だった』と。期待してください」と山崎いわく「ババ馬鹿」の表情で、嬉しそうに本作をアピールした。(取材:錦怜那)