深田恭子、若さの秘訣は年齢のせいにすること
TOKIOの長瀬智也が主演する映画『空飛ぶタイヤ』で、献身的に夫を支える1児の母を演じた女優の深田恭子。35歳、将来の人生設計がそろそろ気になるお年ごろ、美しさにますます磨きをかけながら、深田の心は今、どの辺りを泳いでいるのだろうか?
妊活中の夫婦を演じたドラマ「隣の家族は青く見える」のイベントでは、「自分自身が将来的に母親になるということを考えるきっかけになる作品」と語っていたが、“家族”について気づいた点があったという。「今回の映画もそうですが、旦那さんと奥さんの間に夫婦としての強い絆がないと、結局、何も始まらない。お互いを尊重し、支え合うという基盤ができて初めて、子供や家族のことを想像できると思うんです」。
夫婦愛が家族の基盤。一見、当たり前のように聞こえるが、「子は鎹(かすがい)」の家庭が少なくないのも確か。そういった意味では、深田の気付きは、ぐらつかない家庭を指し示しているようで、なんだか腑に落ちる。それにしても、結婚や家庭を口にしながら、その一方で、さらに磨きがかかる美しさ。まるで年齢を逆行するかのように若々しくいられるのはなぜか。
その秘訣について深田は、「心が元気であれば、年齢は乗り越えられる」と強調する。なるべく心をオープンにするため、最近は、ドラマが終わって時間が空くと、自ら率先して友人と会う予定を組むのだとか。「わたしは、何かあると落ち込みがちなので、悩みごとが多いのですが、そういうときは、同世代の友だちと、『将来、どこに向かって生きていこうか』とか、『こういう選択肢もあるよね』とか、延々と語り合うことにしています」。
そして会話の締めは、「今、悩んでいることを全て年齢のせいにするんです(笑)。きっと、ここで落ち込んでいるのは、『そういう年ごろなんだね』と。だから、来年になって1つ年を取れば、『元気になっているはずだよ』ってみんなで励まし合う。すると、不思議と心が軽くなって、またがんばれる」。年齢に“ダメ出し”するところが、なんとも深田らしくてほっこりするが、屈託のない愛らしい笑顔の秘密は、どうやら、その辺りにありそうだ。
そんな深田が出演する最新作『空飛ぶタイヤ』は、「半沢直樹」「下町ロケット」などの原作者・池井戸潤の小説を初映画化した社会派ドラマ。トレーラーの脱輪事故で窮地に追い込まれた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬)を、妻・史絵(深田)が優しくも深い愛でサポートする。8年ぶりの共演となった長瀬に対して、「時の流れの早さに驚きました。10代の頃から何度か共演させていただいているので、撮影の合間に、昔の懐かしい思い出話もできてうれしかった」と語る深田。長瀬と夫婦役で再会できた喜びを、改めてかみしめていた。(取材・文:坂田正樹)
映画『空飛ぶタイヤ』は全国公開中