中川大志、子役ジンクス破った「境目ない」活躍の理由
映画『虹色デイズ』(7月6日公開)で、一見、女子にモテモテのチャラ男だが、誰よりも友だち思いの高校生・まっつんを生き生きと演じた中川大志。NHKの朝ドラや大河ドラマ、さらには高視聴率を記録したドラマ「家政婦のミタ」など、子役として数々の作品に出演してきた彼も、14日に、二十歳を迎えた。俳優の世界で難しいとされる“子役からの脱皮”をいとも簡単にやってのけ、青春スターの仲間入りを果たした中川は、いかにして子役のジンクスを破ったのか。
小学4年生のときにスカウトされ、俳優の世界に入ったという中川。「最初は習いごと感覚というか、軽い気持ちで現場に行っていたのですが、大人たちに囲まれながら、一緒にモノを作っていく時間がすごく刺激的で、だんだん楽しくなっていきました。お芝居うんぬんよりも、とにかく現場が好きでした」と当時を振り返る。その後、芝居の面白さ、難しさを経験した中川は、「ふと周りを見渡したら、役者以上にやりたいことが何もなかった」と語る。それから約10年、「まさか10代の全てをこの仕事とともに歩むとは……」と自身の青春をかみしめた。
子役から青春スターへ、驚くほどスムーズに駆け上がった印象の中川は、思春期におとずれる身体や心の変化に悩んだことはないのだろうか。「昔から大人っぽく見られていたので、小学生のときには中学生を、中学生のときには高校生を演じていました。そのせいか、自分でも無意識のうちに年を重ね、気が付いたら、青春ものや恋愛ものをやらせていただくようになっていました。いわゆる『境目』というものが僕にはなかったようですね」
とは言うものの、反抗期やスランプは多少あったようで、「現場慣れしてきて、ちょっと生意気になった時期もありました」と告白する。「中学のときはお芝居が好きなあまり仕事以外は外出せず、『人に会いたくない』という思いが強くなり、学校を休みがちになることもありました。でも、現場へ行っていろいろな役をやっていると、自分の中に溜まっていたフラストレーションみたいなものが一気に発散できたので、反抗期をなんとか乗り越えられました」と笑顔を見せた。
そんな中川が、佐野玲於、高杉真宙、横浜流星という人気俳優たちと主演を務める『虹色デイズ』は、ベストセラー漫画を実写映画化した青春ドラマ。いつも行動を共にする、なっちゃん(佐野)、まっつん(中川)、つよぽん(高杉)、恵ちゃん(横浜)の男子高校生4人の恋と友情を描く。学校一のチャラ男・まっつんを演じた中川は、特に「本当の恋に目覚めた彼の心の成長と、動物的なキスシーンに注目!」とのこと。この夏、イケメン4人の青春がスクリーンで躍動する。(取材・文:坂田正樹 撮影:奥山智明)