「世界の中心で愛を叫んだけもの」作家ハーラン・エリスンさん死去 84歳
短編SF「世界の中心で愛を叫んだけもの」などで知られる作家のハーラン・エリスンさんが、28日にアメリカ・ロサンゼルスで亡くなった。84歳だった。
エリスンさんは、1934年生まれでオハイオ州クリーブランド出身。1949年に15歳で初の短編小説を地元新聞紙で発表し、長いキャリアのなかで、ドン・ジョンソン主演で映画化もされた「少年と犬」といった中編や、「世界の中心で愛を叫んだけもの」に代表される数多くの短編を手掛けた。
その活動は作家にとどまらず、ハリウッドではテレビドラマの脚本家としても活躍。「スター・トレック/宇宙大作戦」「アウターリミッツ」「0011ナポレオン・ソロ」など名作ドラマのエピソードを執筆したほか、コミックなども手掛けた。
訃報を伝えた Hollywood Reporter では、エリスンさんが生涯にわたって遺した作品は1,800作以上に及ぶとしている。優れたSF・ファンタジー作品に贈られるヒューゴー賞やネビュラ賞を幾度も受賞した。
エリスンさんの死は、弁護士・写真家のクリスティーン・ヴァラーダさんが、エリスンさんの妻の依頼を受けて自身のTwitterで発表。死因は発表していない。エキセントリックな人物としても親しまれたエリスンさんの死を受け、数多くの著名人がTwitterなどを通じて哀悼の意を表明しており、ホラー小説の大家スティーヴン・キングもTwitterで、「荒々しく、おかしく、雄弁で、とてつもない才能にあふれた人だった。もし死後の世界があるとすれば、ハーランはすでにとんでもない仕事を成し遂げて名を上げているだろう」とつづっている。(編集部・入倉功一)