タイ洞窟遭難の救出劇 映画化企画が進行中
タイ北部の洞窟に閉じ込められた少年ら13人が救出された出来事をめぐって、すでにハリウッドの業界人らが映画化に向けて動いていると、USA TODAY をはじめ、各メディアが報じた。
すでに映画制作会社ピュア・フリックスの共同創業者でプロデューサーのマイケル・スコットはタイの救出現場周辺に滞在しており、病院に搬送された少年たちは別として、救出ミッションにかかわったダイバーや、救助された少年たちの家族にコンタクトを取っているという。
スコットの妻はタイ出身で、救出作業中に亡くなった、元海軍ダイバーの男性の友人でもあったといい、特別な関心を抱いていると FOX News に証言。企画が実現するのかはまだわからないが、映画化権の獲得に向けて一歩リードしている印象だ。
ピュア・フリックスは、宗教系映画『神は死んだのか』(2014)など、比較的低予算の映画を制作しているが、Hollywood Reporter に対してスコットは、他スタジオとの共同制作により、3,000万ドル(約33億円)から6,000万ドル(約66億円)規模の作品にしたいと展望を明かし、数週間のうちに脚本家チームを編成する予定だと話している。「これはただの映画ではない、亡くなった兵士を含む、全ての関係者をたたえる作品になる」(1ドル110円計算)
また、この救出劇はテレビ界からも注目を浴びており、Deadlineでは、ディスカバリーチャンネルがすでにドキュメンタリー番組の制作に取り掛かっていると報じている。サッカークラブに所属する少年12人とコーチの約3週間に及ぶ救出劇は、少年たち全員が生還したこともあり、映画化の材料として大きな注目を浴びているようだ。
こうした、奇跡的な出来事にまつわる実話が映画界に注目されるのは初めてのことではない。近年では、チリで2010年に発生した落盤事故からの救出劇が、アントニオ・バンテラス主演の『チリ33人 希望の軌跡』として映画化され、2015年に公開されている。(編集部・入倉功一)