松たか子×岩井俊二監督の20年ぶり新作映画 広瀬すず・福山雅治・神木隆之介・庵野秀明ら共演
女優の松たか子が、岩井俊二監督の新作映画『Last Letter』に主演することが3日、明らかになった。松にとって、初主演映画『四月物語』(1998)以来、約20年ぶりの岩井作品への出演となる。
岩井監督の手紙をめぐる過去作『Love Letter』場面写真
岩井監督の故郷である宮城を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに始まった、ふたつの世代の男女の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描くオリジナルラブストーリー。広瀬すず、福山雅治、神木隆之介らが共演。音楽は『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』の小林武史が担当し、『モテキ』『君の名は。』の川村元気がプロデュースを手掛けるなど、岩井監督を中心に業界のトップランナーが集結した。
松が演じる主人公の岸辺野(きしのべ)裕里は、亡くなった姉・遠野未咲の死を報告するため、彼女の同窓会に出席。そこで、自身の初恋の相手でもある小説家・乙坂鏡史郎(おとさかきょうしろう)と出会い、姉だと間違われたまま連絡先を交換。ひょんなことから文通を始めることになる。
広瀬は、裕里の姉・未咲の高校生時代と、未咲の娘の遠野鮎美という母娘を一人二役で演じる。福山が裕里と手紙で交流を深める小説家・鏡史郎を演じ、神木も高校生時代の鏡史郎役として、福山との二人一役を務める。また『エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』などで知られる映画監督の庵野秀明が、裕里の夫で漫画家の宗二郎で出演。自身の監督作『式日-SHIKI-JITSU-』(2000)では岩井監督を俳優として起用しており、立場を入れ替えての再タッグとなる。
さらに、新人女優の森七菜が、高校生時代の裕里と裕里の娘・颯香(そよか)の二役で出演。歌手として活躍する水越けいこ、小室等といったユニークなキャスティングにも注目だ。7月にクランクインを迎え、8月中に仙台市内を中心とした宮城県内各所、東京都内で撮影。2019年の公開を目指す。(編集部・入倉功一)
主要キャストと監督のコメントは以下の通り
松たか子
岩井監督と仕事をするのは、本当に久々で、『四月物語』から時間を経て、
再びお話しをいただけてとてもうれしかったです。
このお仕事をしていて、新しい方と出会うことも面白いことではありますが、
一度ご一緒した方に声をかけてもらえると「あっ、嫌われてはいなかったのかな」とも思ったりします(笑)。
でも時間は経っているので、“今”の仕事になるよう、一生懸命頑張りたいと思っています。
だいぶ大人になって岩井さんとまたお仕事できる楽しみが今回の役にはあるのかなと思っています。
この作品には切ない気持ちみたいなものが溢れていますが、
決して岩井さんがそれだけを思っているのではないのかも、とも思います。
回想シーンがまるで“今”のように描かれていますので、うまくそれがつながっていくといいなと思います。
緊張したまま終わるのかなって思いますが、それでもいいかなって思っています(笑)。
広瀬すず
岩井さんの作品に参加させて頂けることが、とにかく嬉しいです。
岩井さんの作られる映画の空気が大好きなので、カメラの前で感じられた空気、温度を大切に、嘘なく、演じられるよう頑張ります。
キャストの皆様もご一緒させて頂いたことがある方が多いので、楽しみです!
神木隆之介
岩井監督の作品に初めて参加させて頂くことになりました。
過去作品も拝見しており、人間味溢れる暖かい作品が多い印象なので、
今回演じる乙坂鏡史郎として、岩井監督が撮られる世界観の中で精一杯生きたいと思います。
そして、僕にとって憧れでもある福山雅治さん。
今回は福山さんの学生時代を演じさせて頂くので、嬉しさとプレッシャーでいっぱいですが、先輩の胸をお借りするつもりで丁寧に演じたいと思います。
広瀬すずさんは、以前ドラマでご一緒させて頂きましたが、また共演することが出来て嬉しいです。
素敵な共演者の皆さんに囲まれて芝居が出来る喜びを噛みしめながら、日々撮影に励みたいと思います。
福山雅治
唯一無二の美しさで描かれる岩井監督作品への初参加、
そして、松さんとはおよそ20年ぶりにご一緒させていただけること、
それぞれの出会いにとても興奮しています。
監督からオファーをいただいた「乙坂鏡史郎」という役柄は、
監督自身のドキュメントを色濃く反映しているキャラクターだと感じています。
その役を、監督の故郷である夏の仙台で撮る。
岩井監督が平成最後の夏に『Last Letter』という作品を撮られることの意味、
そしてその現場に立ち会えることの幸運を全身で感じながら撮影に臨ませていただきます。
岩井俊二
かつて『Love Letter』という映画を作りましたが、当時は手紙のやりとりのあった時代でした。
あれから通信手段は激変し、SNSでやり取りできてしまうこの時代にあって、
手紙を使った物語は現代においては不可能だと思っていましたが、
ある日それを可能にするアイディアを思いついてしまったところからこの物語の構想がスタートしました。
ある夏休みの間に起きた世代を超えた手紙物語です。
今回初めてロケーションを故郷宮城に設定しました。劇映画としては初の試みです。
今回は川村元気プロデューサーとのお仕事ということでこのユニットのコラボを楽しもうと思っています。
ご一緒するのが初めての俳優さんもいるし以前お仕事をしたことのある俳優さんもいます。
プロの俳優さんもいればそうでない方もいます。そこからどういう化学反応が起きるか今から楽しみです。