草なぎ剛主演でフェリーニ『道』日本初の舞台化
イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニの名作映画『道』が、草なぎ剛主演により日本で初めて舞台化されることが決定した。演出を手掛けるのは、フェリーニの『8 1/2』を原作としたミュージカル「NINE」で知られるデヴィッド・ルヴォー。12月8日から28日まで、日生劇場(東京)にて上演される。
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舞台の基となった映画『道』は、1956年にアカデミー賞外国語映画賞を受賞。粗暴な大道芸人ザンパノと、薄幸な女性ジェルソミーナの旅を描く物語で、『アラビアのロレンス』などの名優アンソニー・クインがザンパノを、フェリーニの愛妻でもあるジュリエッタ・マシーナがジェルソミーナを演じた。ニーノ・ロータによる物哀しく美しいテーマ曲も時代を超えて語り継がれている。
初の舞台化となる音楽劇『道』で、主人公ザンパノを演じる草なぎは「フェリーニの映画『道』を観て、古いフィルムからでも伝わる役者のエネルギーと登場人物たちの生き様に、始まって5分で感動し心つかまれました」と映画に感銘を受けた様子で、ザンパノの魅力を以下のように表している。「僕が演じる旅芸人ザンパノは、粗野でわがままで、どうしようもなく不器用な男です。彼の愚かな振る舞いに、どうしてもっとうまく生きられないのかと、もどかしい思いと同時に、彼の心の純粋さにこの物語の奥深さを感じました」
演出のデヴィッド・ルヴォーは、草なぎとの初タッグに「草なぎ剛さんは知性とカリスマ性を兼ね備えた素晴らしい俳優。彼の中に、ザンパノの持つイノセント(無垢)であると同時に残酷さを併せ持つ質感をイメージできた。ご一緒できるのをとても楽しみにしている」と期待を寄せている。(編集部・石井百合子)
草なぎ剛コメント全文は以下の通り。
フェリーニの映画『道』を観て、古いフィルムからでも伝わる役者のエネルギーと登場人物たちの生き様に、始まって5分で感動し心つかまれました。僕が演じる旅芸人ザンパノは、粗野でわがままで、どうしようもなく不器用な男です。彼の愚かな振る舞いに、どうしてもっとうまく生きられないのかと、もどかしい思いと同時に、彼の心の純粋さにこの物語の奥深さを感じました。
この名作にルヴォーさんの演出で出演できることがとても楽しみです。彼は舞台化にあたり沢山のアイデアを話してくれましたが、ルヴォーさんなら、どのようなシチュエーションになっても大丈夫だと確信しています。子供の頃からよく足を運んだ伝統ある日生劇場の舞台に立てる事も幸せです。ここで様々な作品を観劇しました。特別な精神や魂の宿った場所だと感じています。この劇場が『道』という作品を呼んだのではないでしょうか。
音楽劇「道」は12月8日~28日、日生劇場にて上演
チケット一般発売は10月13日予定