内山理名、脚本読んで涙止まらず「刺さる」シングルマザー役
女優の内山理名が4日、都内で行われた主演映画『single mom 優しい家族。 a sweet family』(10月6日より全国順次公開)の舞台あいさつに登壇し、シングルマザーの実情をリアルに描いた本作に心が震えた率直な思いを語った。舞台あいさつには娘役の長谷川葉音、松本和巳監督も出席し、当初は共演の阿部祐二も登壇予定だったが、台風の影響で大阪からの上京がかなわず、急きょ欠席となった。
【画像】『single mom 優しい家族。 a sweet family』
本作は、子を想う孤独なシングルマザーのプレッシャー、親を想う子の葛藤、人と関わることを拒否してきた職人の人間模様が絡み合い、やがて希望に繋がる物語。「一般社団法人 日本シングルマザー支援協会」が後援し、大正時代から「相互扶助」の精神が根付いている北海道ニセコ町の協力の元で撮影された。
主人公のシングルマザー・愛実役の内山は「脚本を読んだときから涙が止まらなくて」と思い返すと、「わたしはシングルマザーではないけど、それでも刺さるものがあって、それを伝えたいと思いました」と役に込めた思いを語った。
本作が映画デビューとなる娘・エミリー役の長谷川は、自身が3歳の時に母親がシングルマザーになったそうで、「エミリーに共感できたので演じたいと思いました」と力強くコメント。撮影中は「気持ちが入り過ぎて感情をコントロールするのが難しかった」ものの、監督の「そのままでいいよ」などというアドバイスのおかげで乗り切れたという。
その長谷川について内山は、劇中で娘を怒鳴り散らすシーンなどがあることから、「かわいくて、かわいくて、(演じながら)こんなにかわいい子をどうしていいかわからないと思いました」と苦笑い。また、「こんなに大きい子(の母親役)は初めてでもあったので、どう接していいのか」と戸惑いがあったことも打ち明けるが、撮影中は一緒にいる時間を多くとって交流を深めたそう。そんな内山に向けて、長谷川は「何でも演技ができて格好いいなって憧れました」と目を輝かせていた。
二人の熱い思いが重なった本作。松本監督は「日本シングルマザー支援協会のお母さん方に、『そういうことをやるのは偽善じゃないの?』と言われてスイッチが入った」と制作当初を回顧し、「作る! 作る! と気持ちが熱くなったけど、2年3か月もかかって、映画作りは本当に時間がかかると思いました」としみじみ。そして、「エピソードの部分はほぼ事実です。実際に世の中に起きていることです」と呼び掛けていた。(取材:錦怜那)