『MEG ザ・モンスター』監督、サメ映画を徹底リサーチ!
深海から出現した巨大ザメ・メガロドン(MEG)の恐怖を描いた映画『MEG ザ・モンスター』のジョン・タートルトーブ監督が電話インタビューに応じ、本作での巨大ザメの描き方や他のサメ映画に対する自身の見解について語った。
【動画】海水浴場に巨大ザメ迫る!『MEG ザ・モンスター』本編映像
約260万年前に絶滅した巨大ザメが現代に出現し、人間たちを襲うさまを描く本作。タートルトーブ監督は、本作で描いた巨大ザメについて「“ただ大きくて白いサメ”と見せるのは止めよう」と考えていたと話す。専門家を頼りにリサーチを重ね、科学的根拠に基づいたリアルなサメを表現することにこだわりを持っていたという。「メガロドンは一つの種であり、科学もそれを裏付けています。彼ら特有の外見、肌の質、色を持つんです」
タートルトーブ監督はメガロドンだけではなく、過去にサメを題材にした映画も徹底的に研究しており、「全てのサメ映画には特定のトーン・法則があるんです」と実際に作品を挙げながら独自の見解を明かした。
「『ロスト・バケーション』は美女と野獣がチェスマッチをしているような1対1の関係性を表現しているんです。『JAWS/ジョーズ』はサメ退治に縁がなかった保安官が、あらゆる恐怖を克服し、ヒーローとなるまでの過程を描いています。『ディープ・ブルー』は科学でサメを保護できるし、我々の敵にすることが可能だということを表現した作品です」
数々のサメ映画をリサーチした監督は、アクションだけではなく“家族”というテーマについても扱っている。彼は主人公ジョナスを演じたジェイソン・ステイサムについて、「無口で闘争心があり、怒り狂ったタフな男としては描きたくない」と本作でステイサムの新たな一面を見せたかったと告白。巨大ザメに立ち向かう男の活躍をユーモアやロマンスを盛り込んで描く監督のアイデアには、ステイサム本人も納得していたようだ。
劇中で描かれる主人公ジョナスと海洋研究施設で出会う少女の心の交流は、張りつめた恐怖の中でも観客に心の癒しを与えてくれる。本作にはリー・ビンビンといった中国人キャストや中国人プロデューサーが参加しており、「世代間の繋がりを大切にする」という東洋文化が随所に垣間見える。“家族の大切さやエモーショナルな要素を欠落させてはダメだ”というプロデューサーの考え通り、監督は恐怖に満ちたサメ映画で家族や世代間の繋がりを描くドラマを見事に表現している。(編集部・倉本拓弥)
映画『MEG ザ・モンスター』は9月7日より全国公開