水川あさみ、小栗旬との夫婦役は自然と空気ができあがる!
小栗旬演じる坂本龍馬の妻・お龍として大河ドラマ「西郷どん」に出演している女優・水川あさみ。まだ女性が奔放に振る舞うことがはばかられた江戸末期という時代のなか、お龍には数々の逸話があるが「なにがあっても揺るがない信念がある」と評した水川。そんな彼女が、お龍の魅力や、以前から親交が深いという小栗や、初めての共演となる西郷隆盛役の鈴木亮平との撮影について語った。
お龍といえば、妹が身売りされそうになったとき、刀を持って相手を追い払ったという話や、龍馬が命を狙われた伏見・寺田屋では機転を利かせて、命を助けるなど、豪快なエピソードが多い。水川も「気が強くて、思ったことを口に出す、男勝りな部分が面白い」と目を輝かせる。
本作には、西郷吉之助の妻となる愛加那や糸、大久保一蔵の妻となる満寿など、多くの女性が登場するが、そのなかでもとりわけ強烈なインパクトを与えるのがお龍だ。特に2日放送の第33話では、糸、満寿と共に井戸端会議をするシーンがあったが「よかれと思っていることがお節介でしかないんですよね。その場の空気を凍らせるのが得意。言ってしまえばお節介なんです」と苦笑いを浮かべるが、「そこが彼女の魅力なんですよね、嘘がない」と共感する部分も多いという。
また、恋愛表現も直接的なお龍。「あの時代、人前で男の人と女の人が寄り添うなんてありえない」と驚きつつも、劇中では「現代人のように肩を寄せ合って密着しています」とかなり大胆なシーンに。好きな人に一途に突き進むというお龍との共通点を問われた水川は「そこが一番似ていると思います」と照れながらも強調した。
龍馬を演じる小栗は、過去に何度も共演するなど気心が知れている存在。「20代のころは、いろいろな仲間を交えて飲んだりしていた役者の友達」と関係性を述べると「そんな人と夫婦の役。しかも大河ドラマという大きな舞台で共演できるのは誇らしい」と笑顔を見せる。
会見で小栗は水川との夫婦役を「光栄」と話していたが「なにかを打ち合わせしなくても、自然と空気ができあがる信頼感があります。とにかく龍馬さんにどこまでもついていきたいと思います」と語っていた。
小栗の俳優としての魅力については「昔から思っていましたが、ヒーロー性を感じます。それは龍馬にも通じる部分がありますが、圧倒的な存在感を放つタイプだと思います」と語ると、初共演となる鈴木に対しては「とてもストイックな方。役者として見習う点ばかりです」と話した。
水川にとって大河ドラマは、2007年の「風林火山」、2011年の「江~姫たちの戦国~」以来、3度目となるが、撮影現場に入ったときは、顔見知りのスタッフもおり、懐かしさのあまりに泣きそうになったという。
「『江~姫たちの戦国~』のときは、ちょうど2011年で東日本大震災があった年。本当にこの時期にエンターテインメントをやっていていいのかと悩んでいたことを思い出します」と前回を振り返ると、そんな当時のスタッフにまた声をかけていただいて嬉しかったと感慨深い表情を浮かべていた。(取材・文:磯部正和)