山田裕貴、全力ぶりがアツい!熱演に注目『あの頃、君を追いかけた』
社会現象を巻き起こした台湾映画を、日本を舞台にリメイクした映画『あの頃、君を追いかけた』(公開中)。若手キャストたちの好演が光るなか、主演の山田裕貴が何よりも観客の胸を打つ熱演を見せつけている。
山田は昨年には10本以上の出演映画が公開され、今年も『万引き家族』や『虹色デイズ』などに出演し、来年前期の朝ドラ「なつぞら」への出演が決定している人気俳優。注目を浴びるきっかけとなった特撮ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」から約7年が経ち、いまや誰もが認める若き実力派だ。
そんな山田が『あの頃、君を追いかけた』で演じたのは主人公の水島浩介。山田というと、脇で印象的な演技を見せるイメージも強いが本作は主演。ヒロイン役を務めた乃木坂46の齋藤飛鳥や、松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介らと共に、大人になった“現在”と10年前の学生時代をみずみずしく演じた。
山田が演じた浩介は、地方都市で小さな豆腐屋の一人息子として育った。高校3年生になり受験を控えても仲間たちとバカ騒ぎを繰り返す気ままな生活を送るなか、あることをきっかけに学校一の優等生・早瀬真愛(齋藤)と距離を縮めていく。
山田の現在の年齢は28歳。メインキャストの中でも最年長だが、制服姿は驚くほどフレッシュ。純粋で、ある意味では愚かな青春時代を違和感なく演じ切った。ときに無気力そうにときに全力に青春をかけ抜ける浩介の若さゆえの勢いを、“大人の余裕”を一切におわせることがなく表現している。芝居に対してピュアでどん欲な本人の姿勢が役と通じているようにも見える。
劇中ではどこか可愛らしいパーマヘアから、ある理由でさっぱりとした丸刈りに変身するのだが、これは実際に山田が地毛をバリカンで刈って撮影に挑んだ。(ちなみに齋藤をはじめとする共演者たちが山田の髪を切り落としていく様子は動画で公開され、話題を呼んだ。)また、浩介にはカンフーをするシーンや決闘に挑むシーン、全裸で自宅内をうろつくシーンまであり、まさに体当たりの演技を披露している。
全力で作品に向き合った山田は、クランクアップの際には涙をこらえながらキャスト陣&スタッフに感謝を述べていた。先月に行われた本作の完成披露イベントでも、大好きなキャストたちに誕生日を祝われ、原作者ギデンズ・コーから賞賛のメッセージを受けると思わず男泣き。山田が大切に向き合ったであろう本作は、観る者の心に響く1作に仕上がっている。(編集部・小山美咲)