「電車男」ハリウッドでドラマ化!“電車男”も興奮「久しぶりになんかキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!?」
2005年に放送された大ヒットドラマ「電車男」が、ハリウッドでリメイクされることになった。フランス・カンヌで開催中のコンテンツ見本市MIPCOMでフジテレビが発表した。ハリウッド版ドラマのタイトルは「Train Man」。同局によると、日本の地上波放送局が制作したドラマがハリウッドでリメイクされるのは初めてだという。
「電車男」はインターネットの巨大掲示板で生まれた実話を基にした純愛物語で、同名書籍(新潮社、著:中野独人)を原作に、伊東美咲や伊藤淳史らが共演したドラマ。最高視聴率は25.5%、全11話の平均視聴率は21.2%の大ヒットとなった。女性に免疫のないオタク男性が、電車内で酔っ払いに絡まれていた女性を助けて一目ぼれし、掲示板の住人らにアドバイスを求めながら恋を成就させようと奮闘する姿を描いた。ネット発の実話ラブストーリーはまとめサイトやブログで急速に広がり、中谷美紀と山田孝之で映画化もされるなど一大ブームを巻き起こした。2006年には英語訳書籍「Train Man」が発売されるなど世界的にも広がっていった。
ハンドルネーム“電車男”と名乗って掲示板に彼女との出会いや想いを書き込まなかったら誕生していなかったこの奇跡の物語。当人の“電車男”は「久しぶりになんかキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!? 僕も楽しみにしています」、まとめサイトの管理人・中の人は「電車男を応援していたネット住人は当時“いったい誰が、アレがあんな怪物にまで成長すると予想できただろうか”と語った。ましてや14年の時を経てハリウッドに進出するなど、微塵も想像しなかったに違いない」とそれぞれ、ハリウッドでのリメイクに驚きと喜びを感じているようだ。
ハリウッド版ドラマ「Train Man」の製作総指揮を担当するのは、エミー賞受賞作「Hey!レイモンド」が代表作のフィリップ・ローゼンタール。プロデューサーは、アカデミー賞作品賞受賞作『ディパーテッド』や『ザ・リング』シリーズなどのロイ・リー、監督は『ヘアスプレー』などのアダム・シャンクマンが務める。「電車男」の長年のファンだというローゼンタールは「オタクの世界から飛び出そうと奮闘する主人公、そして匿名のネット住民たちの応援は、10年前にドラマを見た頃と変わらず、今でも感動的であり、共感できるもの」と作品の印象を語り、シャンクマン監督は「『電車男』のコンセプト、彼のオモテとウラの顔、恐怖心と弱点は、音楽を奏でるようなシリーズ化に最適の要素です。ユニークかつ爆発的に人気なこの世界は、独特なストーリーテリングを可能にしてくれる、豊かな環境」とドラマ化に手応えをのぞかせている。
今回のリメイクは、ビジネスチャンス創出の場として毎年米ロサンゼルスで開催されるマッチングイベント「J-CREATION: A FIRST LOOK SHOWCASE」を通じて実現。「J-CREATION」にとっても日本の知的財産(IP)をリメイクするプロジェクトの第1号となる。(編集部・小松芙未)