遠藤憲一、監督を怒らせる 突然「外出てください」と言われ……
俳優の遠藤憲一が22日、都内で行われた映画『アウト&アウト』の完成披露舞台挨拶に、メガホンを取ったきうちかずひろ監督と出席。遠藤は「俺自身の代表作に数えられる一本」と本作の完成度に自信をのぞかせる一方、撮影中にきうち監督から怒られてしまったエピソードなどをにこやかに紹介した。
漫画「BE-BOP-HIGHSCHOOL」で一世を風靡したきうちが、自身が執筆した小説を自ら映画化した本作は、一癖も二癖もある魅力的なアウトローたちが織りなす犯罪エンターテイメント。壇上には遠藤、きうち監督のほか、共演者の白鳥玉季、岩井拳士朗、小宮有紗も出席した。
遠藤はきうち監督に怒られたエピソードを振り返り、「いろんな役を演じてきたんですけど、(こういう現場に来ると)何か思いついちゃうんです」と撮影当初、監督に積極的にアイデアを出すようにしていたことを述懐。「監督に語尾変えてもいいですかって。初日は(話すシーンの撮影で)歩きながら話していいですかって提案したり、監督、こうしたいんですけどって色々と言っていたら、最初は『はい、いいですよ』って」と監督はOKしてくれていたものの、その後、雲行きが怪しくなってきたという。
「突然、『外出てください』と言われて……。『もうアイデア出すのやめてくれないかな』『僕にも作りたいものがあるんだから』って。『語尾も変えちゃだめ』っていうことになって」と遠藤は監督からの言葉を振り返ってため息。「その日から監督の言われるとおりにやっていたんですけど、完成したものを観たら素晴らしくて」と作品の完成度にびっくりしたといい、壇上で改めて「監督、その節は申し訳ありませんでした」と謝罪し、照れくさそうに監督と握手をした。
遠藤は撮影中、子役の白鳥との息もぴったりだった様子。二人の距離を縮めるために遠藤が「敬語を使わなくていい」と白鳥に声をかけたといい、白鳥も遠藤との撮影を振り返って「やりやすくなりました」とにっこり。カメラが回っていないところでは、友達のように接し合っていたといい、白鳥は「みんなが怖い怖いって言うから、どんな人だろうって会ってみたら全然優しかった。わたしが泣くシーンで泣けなくて困っていた時に『大丈夫だよ』って言ってくれたり」と遠藤のやさしさを紹介。しかし、「でも実際会ってみてやっぱり顔は怖い」と語り、「いつも優しいんですけど、カメラが回ると役に変身していてびっくりした。別人のようでした」とオンとオフのギャップを振り返り、会場を和ませていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『アウト&アウト』は11月16日より公開