東出昌大、10年に一本の作品を追い求めて…30代の誓い
第10回TAMA映画賞で最優秀男優賞を受賞した東出昌大が18日、東京・パルテノン多摩にて行われたプログラム「東出昌大 -躍動と温もりと-」に出席。今年30歳を迎えた東出は「これからは出演作品の本数も限られていくと思うけれど“10年に一本”という作品を追い求めていかなければいけない」と飛躍を誓った。
『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』など、2018年も出演映画の公開が続いたが「どちらかと決めているわけではありませんが、たまたまドラマの本数が少なく、映画の撮影に携われた期間だった」と明かす。続けて「今後はこういう本数になることはないと思います」と語ると、30代の過ごし方について、ある先輩からの助言を披露する。
「誰もが知っている60代の業界のトップランナーの先輩が『30代はきつい』と話されていたんです。その方は20代から一線級で活躍されている俳優なのですが、30代になると出演本数が減るというんです」と語った東出。そうなったとき「10年に一本だ」と思えるものを追い求めていかないとダメだと肝に銘じているという。
この日は『寝ても覚めても』上映後のトークショーとなったが、東出はメガホンを取った濱口竜介監督の「役者から芝居っぽさを抜く」独特の演出方法に魅了されたことを明かすと、生活を隙間から覗いているようなリアリティーのある作品が好きだと語る。さらに本作は自身にとって「10年経って観て」と思える作品だと胸を張った。
またティーチインでは、ファンから「今年公開された作品の中で一番思い入れのあるキャラクターは?」と問われると「うーん」と悩ましい顔を浮かべつつ「一番は決めたくないんですよ」と回答。それでも俳優になってからの約6年というキャリアの中で映画『聖の青春』で共演した松山ケンイチには「お芝居って一人でやるものではないんだという、気づきを与えてくれた存在です」と影響を受けたことを明かしていた。
TAMA映画賞は、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する映画賞。(磯部正和)
第10回TAMA映画賞の受賞者・作品
最優秀作品賞
『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)
『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)
特別賞
沖田修一監督、及び山崎努・樹木希林さんはじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)
上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)
最優秀男優賞
東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)
松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)
最優秀女優賞
安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)
松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)
最優秀新進監督賞
今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)
三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)
最優秀新進男優賞
吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)
吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)
最優秀新進女優賞
深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)
伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)