佐藤浩市&渡辺謙『Fukushima 50』製作決定 福島原発事故に立ち向かった男たち
俳優の佐藤浩市と渡辺謙が、福島第一原発事故を描く新作映画『Fukushima 50』に出演することが決定した。門田隆将のノンフィクション小説を、『空母いぶき』『沈まぬ太陽』などの若松節朗監督が映画化する。
タイトルの“Fukushima 50(フクシマ・フィフティー)”は、海外メディアによる、原発事故以降も現場に残り続けた50名の作業員の呼称。原作「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)は、90人以上の関係者の取材に基づき、未曾有の大事故に際して、現場で戦った彼らの真実に迫るノンフィクションである。
佐藤は、福島第一原発1・2号の機当直長である伊崎利夫を演じる。地元・福島出身の熱血漢である伊崎は、現場で起こる不測の事態に対して厳しい決断を迫られることになる。また、渡辺が演じるのは、福島第一原発所長の吉田昌郎。同い年の部下・伊崎と共に一心同体でやってきた吉田は、現場の指揮を取りながら本社への情報伝達に奔走する。2013年公開の『許されざる者』以来の共演となる二人が、死と隣り合わせで戦い続けた作業員をどのように演じるのか注目だ。
若松監督は、佐藤とは『空母いぶき』に続いて、渡辺とは『沈まぬ太陽』以来のタッグとなる。大河ドラマ「軍師官兵衛」などの前川洋一を脚本に迎え入れ、11月末にクランクイン、2020年公開を予定している。佐藤、渡辺、若松監督のコメントは以下の通り。(編集部・倉本拓弥)
佐藤浩市(伊崎利夫役)
忘れる事で前に進む、失敗をしても何度もトライをする、それは生き物の中で人間だけが出来ることです。
しかし絶対に忘れてはいけない、繰り返してはいけない事があります。
あの日あの時どういう状況に我々が、日本があったのか?
その事を思い出し、明日のそして後世の為の映画を若松監督、渡辺謙さん達と一緒に確認をしながら作りたいと思います。
渡辺謙(吉田昌郎役)
『許されざる者』の撮影中、浩市くんに映画100本目の時はどんな役でも参加するよと、約束してました。
でも、気軽に参加する作品ではありませんでした。
今もなお苦しみの続く福島の方々の思いを受け止めながら『沈まぬ太陽』以来の若松監督、そして浩市くん、素晴らしいキャストと共に緊迫感溢れる画を積み重ねていきたいと思っています。ご期待下さい。
若松節朗監督
2011年3月11日から15日にかけての福島第一原発を襲った事故は国内だけではなく世界の人々をも震撼させた。
穏やかな海は荒れ狂う大津波となって原子力発電所の命綱である全ての電源を奪ってしまった。
この映画は家族や生まれ育った町や村を守る為に命を賭して未曾有の危機に挑んだ人々の話です。
あの時、現場にいた者しか知り得ない真実を描いて行こうと思っています。
スタッフ、キャスト一同全力で準備を進めています。
沢山の方に注目して頂ける映画になる様、強い覚悟で臨みます。