『アメリカン・グラフィティ』の脚本家グロリア・カッツさんが死去
映画『アメリカン・グラフィティ』『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』などの脚本家グロリア・カッツさんが、卵巣がんのため亡くなった。76歳だった。The Hollywood Reporter などが報じた。
【写真】ジョージ・ルーカス&夫と共に脚本を執筆した『アメリカン・グラフィティ』(1973)
1942年にロサンゼルスのユダヤ系家庭に生まれたカッツさんは、カリフォルニア大学バークレー校で英文学を学んだ後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で映画学科の修士号をおさめ、その時に夫ウィラード・ハイクと結婚する。ハイクがジョージ・ルーカスと友人だったことから、ルーカスと夫と共に『アメリカン・グラフィティ』を共同執筆。その後、スティーヴン・スピルバーグ監督作『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』と、ハイクがメガホンを取った『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』でも夫と共同執筆した。
だが最も知られていない事実は、ルーカスがメガホンを取った映画『スター・ウォーズ』の脚本で、撮影前にルーカス監督からハイクと共に脚本を改稿するよう頼まれたことだ。夫妻はユーモアの部分を付け加え、脚本のおよそ30%のセリフを改稿。レイア姫が単なる美しい女性でなく、指揮をとることもできる女性に書き換えた。ルーカス監督自身は彼らが改稿したことをあまり知られたくなかったようで、夫妻のクレジットは残されていない。
カッツさんは全米脚本家組合の役員で、来年オープン予定のアカデミー・ミュージアム・オブ・モーション・ピクチャーズのアドバイザーとしても参加していた。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)