滝沢秀明、芸能活動引退はさよならではない「大きな男になりたい」
俳優の滝沢秀明が12日、都内で行われたWOWOWの主演ドラマ「連続ドラマW 孤高のメス」（2019年1月13日スタート）完成披露試写会に登壇。今年の漢字一字を問われると「行」と回答し、「今年は大きな決断をしました。でも、今回の決断は皆さんとのさよならではない。さよならという言葉は使いたくないので、行ってきますという意味で『行』という漢字にしました」と年内いっぱいでの芸能活動からの引退に言及。客席を見回し、「大きな男になりたい。皆さんの期待に応えられるような男になります」と決意を語った。
累計160万部突破の大鐘稔彦の小説 「孤高のメス」シリーズに基づく本作は、臓器移植がタブー視されていた1980年代後半の日本を舞台に、旧態依然とした医療体制の中で信念と向き合い続ける外科医・当麻鉄彦（滝沢）の闘いを描く物語。壇上には共演者の仲村トオル、工藤阿須加、山本美月、石丸幹二、長塚京三、内片輝監督が登壇した。
本作で初の外科医役に挑んだ滝沢は、「非常に手ごたえがあり、自分的にもやりがいを感じることができました。楽しい現場でした」とコメント。演じた当麻について「自分の信念を持っていて、どんな状況でもブレずに前に進む。男が見てもかっこいいと思える人物でした。彼を演じられてよかったです。自分がやりたいこと、求められているもの、自分の思いも普段から当麻のように大事にしていかなければいけないなと思いました」とキャラクターに心酔した様子で撮影を振り返った。
仲村とは初共演だったというが、「自分が小さい頃からテレビで見ていた方。初めてお会いしてテレビのイメージのままで、本当にかっこいい方だなと思いました」と印象を紹介。仲村の方も滝沢を「しなやかな人」と表現。「幼いころから陽の当たる王道のど真ん中を歩いてきたんだろうなと思っていたんですけど、このしなやかさを身に着けるためには何度もつまづいたりもしたんだろうな。そんなことを思わせてくれる人でした」と滝沢がスターとして歩んできた道のりに思いを巡らせた。
また、長塚も滝沢とは約20年ぶりの共演だったといい、「滝沢さんが15歳くらいの時だったと思うんですが、当時と芸風が変わらない。素晴らしいことです。深く静かに一人で情熱を秘めるという芸風。それが変わっていないということは15歳にして、自分の持ち味を把握していたんだなと思います」と当時を回想。「20年前は保護者のような役。それ以後、ますますクールさに磨きがかかって、今は歩く孤高のメス。こんなに立派になって嬉しいです」と感慨深げに成長に触れると、滝沢も嬉しそうな表情。「僕がドラマを始めて、お芝居とはとか、お芝居の仕方をすごく教えていただいたのが長塚さん。年月が経って、今回の打ち上げで一緒にお酒を飲んだときはすごく感慨深いものがありました」と名優との再共演の喜びをかみしめていた。(取材・文：名鹿祥史)
「連続ドラマW 孤高のメス」は2019年1月13日より毎週日曜夜10時～WOWOWプライムにて放送（全8話・第1話無料放送）