実写版ムーランの妹役シャナ・タンら期待の次世代スターが選出!
米Varietyが期待するアジアの次世代スターに贈られる「アップ・ネクスト・アワード」が第3回マカオ国際映画祭で発表され、ディズニーの実写版『ムーラン』(2020年3月27日全米公開)への出演が決まったベトナム出身でニュージーランド在住のシャナ・タンをはじめ、ザイラー・ワシーム(インド)、チェン・カイ(中国)、アン・カーティス(フィリピン)、イクバール・ラマダン(インドネシア)の5人が選ばれた。
同アワードは今年で2回目。昨年は日本・アメリカ合作映画『オー・ルーシー!』(2017)や『デッドプール2』と海外プロジェクトが続いた忽那汐里、タイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)が日本でもスマッシュヒットを飛ばしたチュティモン・ジョンジャルーンスックジン、ポン・ジュノ監督のNetflixオリジナル映画『オクジャ/okja』(2017)の主演女優アン・ソヒョンら8人が受賞した。
今年もフレッシュな顔ぶれが揃った。中でもタンは、全世界が注目している『ムーラン』で、実写版オリジナルのキャラクターであるムーラン(中国の若手女優リウ・イーフェイ)の妹役に抜てきされた。タンは撮影のためにダンスや歌はもちろん、マンダリン、水泳、バイオリンのレッスンも受けたそうで「この作品に出演することで多くのことを学ぶことができました」と目を輝かせながら語った。
ワシームはインドの女子レスリング界で活躍した実在の人物を描いた『ダンガル きっと、つよくなる』(2016)で主人公ギータの幼少期を演じ、インドの最も権威ある映画賞ナショナル・フィルム・アワードで最優秀助演女優賞を受賞。続いて、インドのスーパースター、アミール・カーンと共演した映画『シークレット・スーパースター(英題) / Secret Superstar』(2017)は中国でも大ヒットを収めた。
カイは、マット・デイモン主演&チャン・イーモウ監督『グレートウォール』(2016)でシェン特使を演じ、マカオ国際映画祭のクロージング作品でもあるチャン監督の新作『シャドー(英題) / Shadow』にも起用されている。
カーティスはモデルやテレビなど多彩に活躍していたが、女優としてはラブコメ作品が中心。それがアクションスリラー『BUYBUST/バイバスト』で麻薬撲滅部隊に所属することになった新人女性捜査官ニーナを演じ、激しいアクションにも挑戦し、女優として新境地を拓いた。
ラマダンはインドネシアのポップグループ「Coboy Junior」に所属する一方、俳優としても活動。第10回沖縄国際映画祭で招待上映された主演作『Dilan 1990』は本国で大ヒットし、一般の人の投票で選ばれるインドネシアン・チョイス・アワード2018で年間映画賞に選ばれている。ただし18歳とまだ若いことから、当分は芸能活動だけでなく、オーストラリアの大学に進学し学業の方も力を入れていきたいという。
今年はアジア系キャストをメインにしたハリウッド映画『クレイジー・リッチ!』が成功を収めたことで、さらにアジア系俳優の世界進出が相次ぐことが予想される。その最前線にいるこの5人が今後、どんな飛躍を遂げていくのか期待が高まる。(取材・文:中山治美)
『BUYBUST/バイバスト』は2019年1月14日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開催される「未体験ゾーンの映画たち2019」で上映