『万引き家族』毎日映画コンクールで最多ノミネート!次点に『菊とギロチン』
毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された映画賞、毎日映画コンクール第73回のノミネーションが発表され、是枝裕和監督作『万引き家族』が最多13、次点で『菊とギロチン』が9、『きみの鳥はうたえる』が8ノミネートとなった。
【動画】三宅唱監督×佐藤泰志原作『きみの鳥はうたえる』予告編
アカデミー賞の前哨戦とされる第76回ゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞にノミネートされ、アカデミー賞のノミネート入りが期待される『万引き家族』。毎日映画コンクールでは、日本映画大賞・日本映画優秀賞、男優主演賞(リリー・フランキー)、女優主演賞(安藤サクラ)、女優助演賞(故・樹木希林さん、松岡茉優)、スポニチグランプリ新人賞・男性(城桧吏)、スポニチグランプリ新人賞・女優(佐々木みゆ)、監督賞(是枝裕和)、脚本賞(是枝裕和)、撮影賞(近藤龍人)、美術賞(三ツ松けいこ)、音楽賞(細野晴臣)、録音賞(冨田和彦)でノミネート。今年9月15日に死去した樹木希林さんは『万引き家族』のほか『日日是好日』でも女優助演賞候補に。
次点、9ノミネートの『菊とギロチン』は、『64-ロクヨン-』前後編や『友罪』などの瀬々敬久監督が『バンコクナイツ』などの相澤虎之助の脚本を得て、大正末期、関東大震災直後の日本を舞台にした野心作。女相撲一座とアナキストたち、自由を渇望する者たちが出会ったら? というもしもの設定を史実とフィクションを交えて描いた物語。木竜麻生、韓英恵らがワケありの女力士に、東出昌大、寛一郎らがアナキストを演じた。木竜は『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』でスポニチグランプリ新人賞にダブルノミネート。
8ノミネートの『きみの鳥はうたえる』は、『Playback』『THE COCKPIT』などの三宅唱監督が、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』などの原作者・佐藤泰志の小説を映画化。柄本佑、石橋静河、染谷将太が男女の揺れ動く三角関係を体現した。柄本、石橋、染谷いずれも俳優部門で候補になっているほか、日中と夜、それぞれの函館のロケーションも美しく、四宮秀俊が撮影賞にノミネートされている。
同賞の対象は、2018年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上劇場公開された映画(アニメーション、ドキュメンタリーは完成または上映した作品)。1946年、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に創設され、映画評論家やジャーナリスト、専門家など約80人が選考に携わっている。
受賞結果は2019年1月下旬の毎日新聞、スポーツニッポン新聞紙上で発表され、授賞式は2019年2月14日、カルッツかわさきで開催される。(編集部・石井百合子)
ノミネート一覧は下記の通り。
【作品部門】
●日本映画大賞・日本映画優秀賞
『菊とギロチン』
『きみの鳥はうたえる』
『孤狼の血』
『寝ても覚めても』
『万引き家族』
●外国映画ベストワン賞
『シェイプ・オブ・ウォーター』
『スリー・ビルボード』
『ファントム・スレッド』
『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』
『1987、ある闘いの真実』
【俳優部門】
●男優主演賞
柄本佑『きみの鳥はうたえる』
岡田准一『散り椿』
東出昌大『寝ても覚めても』
役所広司『孤狼の血』
山崎努『モリのいる場所』
リリー・フランキー『万引き家族』
●女優主演賞
安藤サクラ『万引き家族』
門脇麦『止められるか、俺たちを』
黒木華『日日是好日』
趣里『生きてるだけで、愛。』
松岡茉優『勝手にふるえてろ』
●男優助演賞
新井浩文『犬猿』
瑛太『友罪』
酒向芳『検察側の罪人』
染谷将太『きみの鳥はうたえる』
塚本晋也『斬、』
二宮和也『検察側の罪人』
松坂桃李『孤狼の血』
●女優助演賞
石橋静河『きみの鳥はうたえる』
韓英恵『菊とギロチン』
樹木希林『日日是好日』
樹木希林『万引き家族』
木野花『愛しのアイリーン』
原日出子『鈴木家の嘘』
松岡茉優『万引き家族』
●スポニチグランプリ新人賞(男性)
寛一郎『菊とギロチン』
城桧吏『万引き家族』
玉置玲央『教誨師』
成田凌『ニワトリ★スター』
前田隆成『斬、』
吉沢亮『リバーズ・エッジ』
●スポニチグランプリ新人賞(女性)
唐田えりか『寝ても覚めても』
木竜麻生『菊とギロチン』
木竜麻生『鈴木家の嘘』
佐々木みゆ『万引き家族』
平手友梨奈『響-HIBIKI-』
蒔田彩珠『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
南沙良『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
●田中絹代賞
安藤サクラ
白川和子
寺島しのぶ
原日出子
風吹ジュン
【スタッフ部門】
●監督賞
上田慎一郎『カメラを止めるな!』
是枝裕和『万引き家族』
白石和彌『孤狼の血』
瀬々敬久『菊とギロチン』
濱口竜介『寝ても覚めても』
三宅唱『きみの鳥はうたえる』
●脚本賞
相澤虎之助、瀬々敬久『菊とギロチン』
上田慎一郎『カメラを止めるな!』
是枝裕和『万引き家族』
田中幸子、濱口竜介『寝ても覚めても』
鄭義信『焼肉ドラゴン』
野尻克己『鈴木家の嘘』
●撮影賞
木村大作『散り椿』
近藤龍人『万引き家族』
佐々木靖之『寝ても覚めても』
四宮秀俊『きみの鳥はうたえる』
曽根剛『カメラを止めるな!』
月永雄太『モリのいる場所』
鍋島淳裕『菊とギロチン』
●美術賞
安宅紀史『モリのいる場所』
磯見俊裕『焼肉ドラゴン』
露木恵美子『菊とギロチン』
林田裕至『パンク侍、斬られて候』
原田満生、堀明元紀『日日是好日』
三ツ松けいこ『万引き家族』
音楽賞
●石川忠『斬、』
tofubeats『寝ても覚めても』
Hi’Spec『きみの鳥はうたえる』
細野晴臣『万引き家族』
安川午朗『菊とギロチン』
●録音賞
石寺健一『散り椿』
浦田和治『孤狼の血』
川井崇満『きみの鳥はうたえる』
北田雅也『斬、』
冨田和彦『万引き家族』
吉田憲義『日日是好日』
【ドキュメンタリー部門】
●ドキュメンタリー映画賞
『沖縄スパイ戦史』
『彼らの原発』
『サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-』
『選挙に出たい』
『太陽の塔』
『ぼけますから、よろしくお願いします。』
『廻り神楽』
『夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年』
【アニメーション部門】
●アニメーション映画賞・大藤信郎賞
『あの地』
『あのねのかぼちゃ』
『In the cage』
『ケアンの首達』
『さよならの朝に約束の花をかざろう』
『真珠草』
『SCREEEEEN』
『旅メーション『死生学』』
『タンポポとリボン』
『ちいさな英雄』
『透明人間』
『DREAMLAND』
『浜宿海岸のうわさ』
『ペンギン・ハイウェイ』
『未来のミライ』
『夜になった雪の話』
『like I used to』
『リズと青い鳥』
『若おかみは小学生!』