ハリウッド版ゴジラ続編モスラ・ラドン・キングギドラ以外にも怪獣登場!
ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)の続編『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を手がけるマイケル・ドハティ監督が、幼少期から親しんだ『ゴジラ』シリーズへの思いと共に、新作について語った。
日本を代表する怪獣王ゴジラに加え、モスラ、ラドン、キングギドラが登場する本作。地球を舞台にした四大怪獣のバトルに対するファンの期待も高まっているが、本編にはさらに多くの怪獣が登場するとドハティ監督は明かす。「そこは期待していてください。ただ、登場するのが東宝怪獣になるのかどうかは、まだ言えません。一部は、新たなオリジナル怪獣になるかもしれません」
そう語るドハティ監督は、『X-MEN』シリーズに脚本・原案として参加するなど、ハリウッドの一線で活動してきた。彼にとって『ゴジラ』シリーズは、4~5歳のころに魅せられてきた原点のひとつだ。「自分のおもちゃを並べて、ペットの亀が倒して歩く様子を撮影したのが僕の初監督作品です。ハリウッドの映画作家の多くも、ゴジラと出会って映画を作ろうと思った方が多いんじゃないかな。少なくとも僕はそうだったし、僕の知ってる監督たちもそう。ゴジラ映画でスーツを着たアクターたちがミニチュアの町を破壊している姿は、良い意味で、自分たちもあれを作ろうと思わせてくれる物だったのです」
それだけにシリーズへの思い入れは強い。ハリウッド版についても、ギャレス・エドワーズ監督が手がけた前作は「大好き」だが、20年前のローランド・エメリッヒ監督版には手厳しい。「一番好きなシリーズは1954年のオリジナル版。あと、日本の最近のシリーズでは『ゴジラ FINAL WARS』(2004)も好きなんですよね。怪獣が全員集合するし、ゴジラが偽物の"ジラ”をぶっ潰してくれますから!」
米レジェンダリー・ピクチャーズによって復活したハリウッド版『ゴジラ』は大ヒット作となり、本作や『キングコング:髑髏島の巨神』、2020年公開予定の『ゴジラVSコング(仮)』など、互いにつながりを持つ“モンスター・バース”が拡大中。監督は、昨今の映画業界で流行中のこうしたユニバース構想も、もともとはゴジラから生まれたと語る。
「ゴジラの単独映画に続いてモスラやラドンが生まれ、それらの怪獣たちがクロスオーバーして、30本以上の作品が生まれた。映画史上最大のフランチャイズは、ボンド映画でもマーベル映画でもなくゴジラなわけです。今、僕たちがしていることも、1950年代にスタートした流れの継承なんです」
こうしたユニバース展開が可能なほど成長したハリウッドの怪獣ブーム。その理由をドハティ監督は「真の怪獣映画に何を求めるべきか、僕たちがより理解できるようになったからでは」と分析する。「98年版のゴジラは、ただ巨大化した恐竜のようで、怪獣映画に必要な神話的でスピリチュアルな要素が一切ありませんでした。しかし、それから20年が経ち、怪獣映画を作るのであれば、彼らに対して心から敬意を払わなければならないんだと、僕らの理解が深まったのではないでしょうか」
ちなみに、四大怪獣以外では、メカゴジラ、アンギラス、ビオランテがお気に入りとのこと。特に『ゴジラ』映画が「自然をリスペクトする気持ちをより強くしてくれた」という監督にとって、ビオランテへの思い入れは強いが、残念ながら今回の登場はかなわなかったようだ。「出したかったんですけどね。またやる機会があればビオランテを出しますよ。あ、あとガイガンもね!」。3年がかりで取り組んだプロジェクトなだけに、本作が公開された後は、しばらくお休みするという監督だが、今から再登板も楽しみだ。(編集部・入倉功一)
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日より全国公開