スティーヴン・ユァン、村上春樹原作映画で映画賞を席巻
「ウォーキング・デッド」のグレン役で知られるスティーヴン・ユァンが、村上春樹の短編小説「納屋を焼く」に基づく映画『バーニング 劇場版』(2月1日公開)で各国の映画賞を席巻中だ。
「ウォーキング・デッド」シーズン1から7まで出演したのち、韓国のポン・ジュノ監督と組んだNetflix映画『オクジャ/okja』(2017)やNetflixのアニメシリーズ「ストレッチ・アームストロング」などに出演(後者は声優出演)。第71回カンヌ国際映画祭で批評家たちから絶賛された映画『バーニング 劇場版』のキャストの中で、とりわけ注目を浴びているのがユァンだ。
もとはNHKの「村上春樹の短編小説にアジアの巨匠監督たちが挑む」という特集ドラマの企画から始まった本作。『オアシス』『シークレット・サンシャイン』などの韓国の巨匠イ・チャンドン監督たっての希望でユァンの出演が決定した。ユァンが演じているのは、原作で主人公に「時々納屋を焼く」という秘密の趣味を打ち明ける「彼」にあたるベン。映画(ドラマ)では舞台を現代の韓国に置き換え、「納屋」は「ビニールハウス」へと変更されるなど大胆な脚色が施されている。
ユァンは「ウォーキング・デッド」でピザ屋の配達人だった頼りない青年が極限状況下に置かれることで目覚ましい成長を遂げていくさまを好演し、人気を博していたが、本作ではガラリと変わったミステリアスなキャラクターに挑戦。ロサンゼルス映画批評家協会賞、トロント映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞など多くの映画賞で助演男優賞を受賞している。
昨年12月29日には、ドラマ「バーニング」がNHK総合で放送(BS4Kは12月2日放送)。萩原聖人がユァン演じるベンの声を担当していた。ドラマは95分、映画は148分と尺が約50分異なる編集となっている。
なお、ユァンは昨年12月29日、30日に行われた「ハリコンNo.18」でゲストとして来日し、話題になっていた。(編集部・石井百合子)