寺田心、世界も視野に 俳優としての目標明かす
人気子役の寺田心が23日、渋谷・ユーロライブで行われた、フランス映画『ジュリアン』のヒット祈願トークショー付き試写会に出席し、俳優としての展望を明かすと共に、自身にとっての2019年の漢字を書き初めで披露した。
『ジュリアン』は、離婚した父と母の間で揺れ動く息子ジュリアンの苦悩をサスペンス風味で描いた作品。劇中でジュリアン少年を演じたトマ・ジオリアは、映画初出演でありながら、グザヴィエ・ルグラン監督が「世界のトップ俳優のレベルに匹敵する聞く力と息づかい」を持ち合わせると評した天才子役で、第74回ベネチア国際映画祭においてルグラン監督に銀獅子賞(最優秀監督賞)をもたらした。
寺田はこの日、10歳にしてミラノ国際映画祭2018で最優秀主演男優賞を受賞した日本の天才子役として登壇。寺田がステージに登場すると、会場からはため息交じりの歓声が沸き起こる。トマの演技について寺田は「目のお芝居がすごく印象的で、お芝居がすごく勉強になりました。複雑な心情のお芝居により引き込まれましたし、終わりの方ではジュリアンくんの気持ちになって、とても息苦しくなりました」と共感たっぷりに語る。
また、10歳の寺田に、離婚した両親の間で板挟みになる物語は難しくなかったのかと尋ねられと、「きっと初めは、大好きなお父さんとお母さんのどちらかがおかしくなるのはつらいなと思うし、好きという感情の方向を間違えると、こんなにも怖くて、悲しくなるんだなと思いました」とクレバーなコメントで観客をうならせる。さらに「イタリアのミラノに行った時はいろんな人とお会いしたので、海外のいろんな監督とやりたいし、日本でも、時代劇とか、いろんなものをやってる方たちとやれたらなと思います」と続け、「自分らしい俳優さんになりたいです。世界でも出来たらいいなと思いますし、これから皆さんに見守っていただけたら」と将来への明確なビジョンを明かしていた。
そんな寺田の「今年の一文字」は「今」だという。「過去と未来の境という。その時その時の“今”を大事に。今出来ることを一生懸命、頑張ろうと思います」と理由を語る寺田の聡明な姿に、観客は最後まで魅了されていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『ジュリアン』は1月25日より新宿シネマカリテほかにて公開