作品賞は『グリーンブック』!最多は『ボヘミアン・ラプソディ』
第91回アカデミー賞
現地時間24日、第91回アカデミー賞授賞式が米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『グリーンブック』が作品賞に輝いた。『メリーに首ったけ』で知られるピーター・ファレリー監督の初の感動作だ。
【画像】クイーンのライブで開幕!第91回アカデミー賞授賞式の様子
差別が残る時代のアメリカ南部でコンサートツアーを計画した黒人ジャズピアニスト(マハーシャラ・アリ)と、彼に雇われた粗野で無教養のイタリア系用心棒兼運転手(ヴィゴ・モーテンセン)の実話を基にしたバディムービー。アカデミー賞の前哨戦とされる第43回トロント国際映画祭、第76回ゴールデン・グローブ賞、第30回全米プロデューサー組合(PGA)賞などを制してきた。アカデミー賞では作品賞、助演男優賞(マハーシャラ)、脚本賞の3部門を受賞した。
壇上でファレリー監督は、主演のヴィゴ・モーテンセンや助演男優賞に輝いたマハーシャラ・アリをはじめ、スタッフ、クルー、全ての関係者の名前を挙げて感謝。「光栄です。この映画はまさに愛情の物語でした。さまざまな違いがあっても互いに愛し合うことを伝えています。我々は同じ人間です」と語った。
最多4部門を受賞したのは、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記ドラマである『ボヘミアン・ラプソディ』。主演男優賞(ラミ・マレック)、音響編集賞、録音賞、編集賞に輝いた。Netflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)は、ストリーミング配信会社の映画として史上初となる作品賞受賞とはならなかったが、監督賞、撮影賞、外国語映画賞の3部門受賞を果たした。
日本からは、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞に、細田守監督の『未来のミライ』が長編アニメ賞にノミネートされていたが、惜しくも受賞を逃した。
30年ぶりに司会者不在で開催されたアカデミー賞授賞式だが、特に混乱もなく幕を閉じることに。恒例となっていた司会者のオープニングモノローグの代わりには、「クイーン+アダム・ランバート」のライブパフォーマンスが行われ、会場は大いに沸いた。(編集部・市川遥)
第91回アカデミー賞全結果は以下の通り。
■作品賞
『グリーンブック』
■監督賞
アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ』
■主演男優賞
ラミ・マレック 『ボヘミアン・ラプソディ』
■主演女優賞
オリヴィア・コールマン 『女王陛下のお気に入り』
■助演男優賞
マハーシャラ・アリ 『グリーンブック』
■助演女優賞
レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』
■長編アニメ映画賞
『スパイダーマン:スパイダーバース』
■短編アニメ映画賞
『Bao』
■脚本賞
ニック・ヴァレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー 『グリーンブック』
■脚色賞
スパイク・リー、チャーリー・ワクテル、デイビッド・ラビノウィッツ、ケヴィン・ウィルモット 『ブラック・クランズマン』
■撮影賞
アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ』
■美術賞
ハンナ・ビークラー、ジェイ・ハート 『ブラックパンサー』
■音響編集賞
『ボヘミアン・ラプソディ』
■録音賞
『ボヘミアン・ラプソディ』
■編集賞
ジョン・オットマン 『ボヘミアン・ラプソディ』
■視覚効果賞
『ファースト・マン』
■歌曲賞
「シャロウ ~『アリー/スター誕生』愛のうた」 『アリー/スター誕生』
■作曲賞
ルートヴィッヒ・ヨーランソン 『ブラックパンサー』
■衣装デザイン賞
ルース・E・カーター 『ブラックパンサー』
■メイク・ヘアスタイリング賞
『バイス』
■外国語映画賞
『ROMA/ローマ』(メキシコ)
■短編実写映画賞
『スキン(原題) / Skin』
■長編ドキュメンタリー賞
『フリー・ソロ(原題) / Free Solo』
■短編ドキュメンタリー賞
『ピリオド 羽ばたく女性たち』
第91回アカデミー賞授賞式は、2月25日(月)午前8時30分よりWOWOWプライムにて放送中(夜9時より字幕版放送)
※初出時の結果一覧の作品賞部分に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。