ラース・フォン・トリアー監督の問題作、R18+で6月14日公開
『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などのデンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアー監督の新作が『ハウス・ジャック・ビルト』の邦題で6月14日より公開されることが決定した。マット・ディロン演じるシリアルキラーの12年間を5つのエピソードで描くもので、日本ではR18+指定(18歳以上鑑賞可)での上映となる。
トリアー監督は、カンヌ国際映画祭の常連で、エミリー・ワトソン主演『奇跡の海』(1996)でグランプリ、歌手のビョークが主演を務めた2000年の映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』ではパルム・ドール(最高賞)を受賞。一方で、2011年に同映画祭で『メランコリア』を上映した際の、ヒトラーを擁護する発言で映画祭を追放されるなど過激な言動で世を騒がせてきた。『ハウス・ジャック・ビルト』は、7年ぶりにカンヌでの上映、出席を許可された、監督にとっての“復帰作”としても注目を浴びた。
本作は、1970年代の米ワシントン州を舞台に、建築家になる夢を持つハンサムな独身の技師ジャック(ディロン)が、あるきっかけからアートを創作するかのように殺人に没頭するようになり、“ジャックの家”を建てるまでの12年間を描く。
シリアルキラー、ジャックを演じるのは『ドラッグストア・カウボーイ』『クラッシュ』などのマット・ディロン。そのほか、先ごろ亡くなった、『ベルリン・天使の詩』『ヒトラー ~最期の12日間~』などのスイスの名優ブルーノ・ガンツ、『ニンフォマニアック Vol.1』に続くトリアー作品出演となるユマ・サーマン、『アンダー・ザ・シルバーレイク』のヒロイン役も話題のライリー・キーオらが出演。
なお、邦題は権利元を通じてトリアー監督に確認のうえ決定された。トリアー監督は「本作においては、タイトル自体とても重要で、それを変えることは映画そのものを変えてしまうことにもなりかねない」と回答し、公用語に冠詞(the)や関係代名詞(that)を持たない国でのタイトルについては、それらを削除することが許可されたという。(編集部・石井百合子)
映画『ハウス・ジャック・ビルト』は、6月14日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開