井之脇海、「なつぞら」出演をプロデューサーに直訴!【徳島国際映画祭2019】
徳島国際映画祭2019が8日、徳島市内のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)にて開幕し、オープニング上映作品『クジラの骨』に出演している俳優の井之脇海とメガホンを取った徳島出身の福岡利武監督が舞台あいさつに登壇した。連続テレビ小説「ひよっこ」でタッグを組んで以来の顔合わせとなる二人は、少し照れながらもお互いを称え合い、今年4月よりスタートするNHK連続テレビ小説「なつぞら」のプロデューサーも務める福岡に対して、井之脇は「記念すべき100作目ですからね、チャンスがあったらぜひ出演させていただきたいです!」と笑顔で直訴した。
本作は、徳島県海陽町の小さな漁村で、自由にゆったりと暮らしを営む40代夫婦の物語。ある日、海辺にクジラの骨が打ち上げられ、時を同じくして2人の前にお遍路中の青年(井之脇)が現れるさまが描かれる。この日は、夫婦役を務めた杉山ひこひこ&ともさと衣、プロデューサーの栂岡圭太郎も来場。物語の鍵を握る井之脇の存在に、「妖精なのか」「人間なのか、それともクジラの化身なのか」など、さまざまな憶測が飛び交う一幕があった。
今日初めて完成作品を観たという井之脇は、「福岡さんとは、朝ドラなどから数えて6~7年の付き合いになりますが、おおらかな人柄がより全面に出ている作品になっていたように思いました。そこに徳島県の海や漁港、町並みがすごくマッチしていて、ほんわかした世界観がとても新鮮でした」と絶賛。
さらに、「今回は、朝ドラの現場とはまったく違ったので、僕と福岡さんの関係性もかなり違っていましたね。とにかくなんの制約もなく、『のびのびと青年役を生きてくれ』と言われたので、本当に自由にやらせていただいて。とても楽しい時間を過ごさせていただきました」と感謝の気持ちを述べた。
そんな井之脇に対して、「ひよっこ」の頃に比べて「どんどん、いい男になっているね」と目を細める福岡監督。特にお遍路姿にゾッコンのようで、「何も飾らなくてもいい。佇まいがとにかく美しいよね」と教え子の成長に胸を張った。
今回、夫役を務めた杉山も、福岡監督が演出を手がけたNHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演したことが縁。「このあと、特に予定がないので、福岡さんがプロデューサーを務める『なつぞら』に出してもらおうかなと思っています」と杉山が冗談めかすと、すかさず井之脇も、「僕も出るつもりでいます」と便乗し、会場は朝ドラのネタで大爆笑。降壇後、ホールで井之脇に改めて聞いてみると、「うーん、やっぱり100作目ということもありますし、朝ドラの現場が大好きなので、チャンスがあればぜひ!」とアピールしていた。
なお、オープニングセレモニーでは丹生谷清流座(人形座)による人形浄瑠璃「寿二人三番叟」、さらには女性シンガーの宮原良仕子、Utaによる弾き語りライブも行われ、映画祭開幕を華やかに彩った。(取材・文:坂田正樹)
徳島国際映画祭2019は、徳島市内のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)にて3月10日まで開催中