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ウィメンズ・マーチを扱った注目のドキュメンタリー、関係者らが語る

ウィメンズ・マーチのコミュニケーション・ディレクター、ソフィー・エルマン=ゴーランさん
ウィメンズ・マーチのコミュニケーション・ディレクター、ソフィー・エルマン=ゴーランさん

 トランプ大統領への抗議と女性の権利向上のために行われたデモ行進、「ウィメンズ・マーチ」を扱ったドキュメンタリー映画『ディス・イズ・パーソナル(原題) / This is Personal』について、ウィメンズ・マーチのコミュニケーション・ディレクターのソフィー・エルマン=ゴーランさんと製作者のルッチ・ミタルが、3月2日(現地時間)、ニューヨークの Athena Film Festival の上映後のQ&Aで語った。

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 本作は、2017年のトランプ大統領就任式翌日にワシントンD.C.で行われた「ウィメンズ・マーチ・オン・ワシントン」に影響を受けた世界中の女性たちが、LGBTQの問題、移民への迫害問題、人種差別問題、さらに身体障害者の権利や女性の権利を主張していく過程や、ウィメンズ・マーチの創設者の一人、タミカ・マロリーさんの活動を追いながら、現在のアメリカの政治や社会状況を捉えた注目のドキュメンタリー。映画『ウエスト・オブ・メンフィス 自由への闘い』『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』のエイミー・バーグが監督を務めた。

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 このデモ行進に参加した女性たち全てが異なった観点を持っていることについて、ソフィーさんは「ウィメンズ・マーチ・オン・ワシントンによって、何百万人もの女性たちがつながりを感じたと思うわ。でもウィメンズ・マーチのスタッフは、その何百万人すべての期待に応えることはできない。だから、わたしたちスタッフやウィメンズ・マーチに参加した人々は、つまずいたり、転んだり、あるいは回り道しながらでも、徐々に前進して、一貫性を持って権利を主張していかなければいけないの」と信念を語った。

ルッチ・ミタル
製作を務めたルッチ・ミタル

 本作を手掛けるのに2年かけたという製作者のルッチは、ウィメンズ・マーチを観客に理解してもらう上で、撮影中も世界中で起きていることに目を向けなければならず、古いニュースだけを集めて作ればよいというわけにはいかなかったことが大変だったと明かす。「現在進行中の出来事と過去のニュースもバランスよく扱うことが重要だったの。今作のために多くの女性がインタビューに応じてくれて、さまざまな題材について話してくれたから、それらを編集して一貫性を持たせるのも困難だったわ」また、ウィメンズ・マーチの創設者の一人であるタミカさんが活動を通して、リーダーとしての資質を発揮していく過程が興味深く描かれていることについては「リーダーには誰もがなれるわけでなくて、何がリーダーにさせるのか、さらにリーダーになることへの挑戦、そしてリーダーとして自分の間違いも受け入れることの難しさも捉えているのよ」と語った。

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 現在のウィメンズ・マーチの状況について「ウィメンズ・マーチ・オン・ワシントンは、本当にわずかな人々によって立ち上げられたから、その後、わたしたちはちゃんとした機関にする必要があったの。もともと、あのウィメンズ・マーチ・オン・ワシントンのスタッフは、それぞれ別の仕事に携わっていた人たちで、さらに、あれほど多くの人々に影響を与えるとも思っていなかったわ。でも、あのウィメンズ・マーチによって、多くの女性たちがわたしたちに指針を求めるようになったの。だから、わたしたちもウィメンズ・マーチ・オン・ワシントンだけで立ち去るわけにはいかなかったわ」とソフィーさん。今では、アメリカ全ての州にウィメンズ・マーチの機関を設置できるように進めているそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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