草なぎ剛、色気たっぷり!『まく子』父親役で新境地
直木賞作家・西加奈子の同名小説を映画化した『まく子』(公開中)で、草なぎ剛が女好きのダメな父親を演じ、新境地を見せている。
本作は小さな温泉街を舞台に、謎の転入生コズエ(新音)と触れ合うことで成長していく思春期の小学5年生・サトシ(山崎光)の葛藤や親子の確執・再生を描くヒューマンドラマ。草なぎは浮気性でいいかげんなダメ男ながらも、息子の成長をそっと見守り背中を押すサトシの父親・光一を熱演している。
料理長として家業の旅館で仕事をしながら、どこかつかみきれないフワッとした危うさが色気として放たれる光一。自由人ながら息子に向けるまなざしは温かく、ちょっとした言葉や行動で深い愛情をにじませる。そんな父親を草なぎが自然体の演技で魅せる。
役について草なぎは「子供から『お父さんしっかりしろよ』と言われてしまう、そんな父親です」と紹介しており、「息子にまで迷惑を掛けて、どうしようもないな、と。息子から“こうなりたくない”なんて思われるなんて、ちょっと痛々しくもあるけれど、リアルだな、とも思いました」とキャラクターを分析。
演じるにあたって、「実は僕自身もだらしないところがあるので(笑)、自分のそういう部分を押し出していった役でもありました」と素の自分を反映した部分があることも明かしている。
監督・脚本の鶴岡慧子は、衣装合わせで役づくりの話をしたときから自然体で、光一役がしっくりきていたと振り返る。役について細かく話し合うことはあまりなかったそうで、「『無精ひげを少し伸ばしたほうがいいですね」など、草なぎさんから提案してくださいました。おにぎりの握り方がお父さんらしく豪快で、とても素敵でした(笑)」と撮影秘話を明かしている。(編集部・小松芙未)