ビートたけしが東條英機役 笑福亭鶴瓶と東京裁判の衝撃エピソード再現
3月23日・24日放送のテレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル「二つの祖国」で、ビートたけしが戦後A級戦犯として起訴された陸軍軍人で元総理大臣の東條英機を演じることが明らかになった。民間人として唯一A級戦犯として起訴(のちに釈放)された思想家・大川周明役の笑福亭鶴瓶とともに、東京裁判中に大川が東條の頭を叩くという衝撃のエピソードを忠実に再現する。
小栗旬が主演を務める本作は、「白い巨塔」などで知られる作家・山崎豊子のベストセラーを映像化。第二次世界大戦前・中・後のアメリカと日本を舞台に、自らのアイデンティティーを求めて懸命に生き抜いた日系アメリカ人二世たちの愛と奇跡を描き出す。
ドラマ後半の山場となる東京裁判のシーンは、主人公の賢治(小栗)が「勝者が敗者を裁く」という理不尽さに気付く重要な場面として描かれる。そこで鍵を握る東條を表現できるのは、「圧倒的な存在感を持つビートたけしさんしかいない」という制作陣の思いから、今回のオファーが実現した。
2008年に放送されたドキュメンタリー&テレビドラマの特別番組「あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機」でも東條役を務めたたけし。「東京裁判は何度も見てるシーンだから、ちょっとね、やりやすいんだかなんだか……あまりに現物を見てるから、『本当に似てるかな』とそっちのほうを考えちゃいました。あと『なに言ってるわかんない』と東條が怒るシーンも、きっと一般の人も印象に残ってるから、自分が似てないと言われるのはやだなと。似てるのも変だけど(笑)」と再演への思いを明かした。
そんな東條の頭を裁判中に後ろから何度も叩くという奇行に出る大川役には、笑福亭鶴瓶が決定。ドラマの同じシーンで共演するのは初となる二人は、「頭叩くのが鶴瓶って聞いて笑っちゃったんだよ! コントじゃないかと(笑)。でも見事メイクで違う人になってたからよかった。このシーンはちょっと面白そうだね」(たけし)、「大川周明やから叩けるんですよ! たけしさんは叩かれへん! でもお兄さん(たけしさん)喜んでましたよ、コントみたいって。一発パーン叩いて、えらい音がなったんですよ(笑)」(鶴瓶)と撮影を振り返っている。
特殊メイクで完璧に東條を再現したたけしと、カツラを発注して大川に成り切った鶴瓶。撮影当日、「A級戦犯二人が防衛省の中を歩いちゃあ、やばいだろう!」といつものごとくトークを冴えわたらせながら防衛省内の敷地を歩いていた二人だが、実際の東京裁判が行われた場所に忠実なセットが再現された現場では緊張した面持ちをのぞかせる一幕も。お笑い界の重鎮たちが魅せる渾身のシーンに注目だ。(編集部・吉田唯)
テレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル「二つの祖国」は3月23日・24日の夜9時~11時24分に放送