「ひよっこ3」があるとしたら?有村架純、妄想膨らむ
2017年に放映されたNHKの連続テレビ小説「ひよっこ」の続編が、スペシャルドラマ「ひよっこ2」として、3月25日より4夜連続で放送される(NHK総合・毎19:30~20:00)。ヒロイン・前田みね子を演じる有村架純が取材に応じ、「ひよっこ」という作品の魅力を、自身の妄想も交えながら楽しく語った。
続編の舞台は、谷田部みね子(有村)と見習いコック、ヒデこと前田秀俊(磯村勇斗)の結婚から2年後の、1970年(昭和45年)秋。みね子は夫ヒデと2人でいつか店を持つことを夢見て、赤坂の洋食屋・すずふり亭で働きながら、あかね荘でつつましい新婚生活を送っていた。そんな2人をめぐる出来事や、みね子の故郷・奥茨城村への帰郷が描かれる。
有村は、約2年を経て「ひよっこ」の世界観に戻ったときの感想を、「『ひよっこ』って、日常の中のピンポイントの部分を、すごく丁寧に描いているというか、その会話をセリフに起こさなくてもいいんじゃないかって思うような会話まで、きちんとセリフになっていて、それがすごく『ひよっこ』らしいと思いました。大きな山もないし谷もない、これが『ひよっこ』の世界だなあって」と表現。
さらに、岡田惠和の脚本に「みね子役を当て書き(有村を想定してセリフを書いている)してくださっていて、台本を読むと、岡田さんから見たわたしってこうなんだなって思うんですが、それが本当に的を得ているんです(笑)。乙女寮のみんなとのシーンで、わたしは「面白くもないし、変わっている人でもない、自分はつまらない人だ」っていうセリフがあるんですが、あのくだりは自分自身のことを言っている感じがして、それが逆に、普通でいることの大切さを教えられた気がしました」とも。
みね子役は、有村以外に考えられないというファンも多いことだろう。有村も、みね子と自身を重ねたり、みね子からの影響を感じることもあるという。「みね子は、小さいことでも、今目の前で起きていることに、幸せを感じられるんですよね。例えば『やっぱりハヤシライスは、すずふり亭のが一番美味しい』とか、『今日は(白石加代子演じるアパートの大家の)富さん、お土産、せがんで来ないな』とか、『卵がうまく割れた』とか。日常を大切に生きるみね子の姿は尊敬するし、自分が見落としている部分を思い出させてくれるように思います。だからみね子を演じていると何でも面白く感じちゃって『ひよっこ』の現場では(笑いの)ツボに入ることが多くて、気づいたらよく笑っているんです」
「『ひよっこ3』がもしあるとしたら?」の問いには、「ツボ」にはまったのか、有村のユニークな妄想が次々と飛び出した。「そうですね、豊子(乙女寮の仲間、藤野涼子)に彼氏ができていてほしいのと(笑)、みね子とヒデさんの間には子供ができている、もしくは生まれていてほしい。あと三男(みね子の幼なじみ、泉澤祐希)と米子ちゃん(三男の妻、伊藤沙莉)がケンカをして、三男がちょっと家出してあかね荘に住むとか(笑)。すずふり亭の制服がちょっと変わるとか、いくらでも出てきちゃいます」
ちなみに、もし演じるなら「(みね子のほかに)やるとしたら、富さんみたいな役は、楽しそう(笑)。富さんって可愛らしい人だし、もちろん白石さんの富さんだからこそですが」とのこと。有村の妄想のもと、さらなる続編を期待したい。(取材・文/岸田智)
「ひよっこ2」はNHK総合にて3月25日~3月28日19:30~20:00放送(全4回)