俳優・萩原健一さん死去「傷だらけの天使」など
ショーケンの愛称で親しまれた、歌手・俳優の萩原健一さんが3月26日の午前10時30分、GIST(消化管間質腫瘍)のため都内病院で亡くなった。所属事務所が発表したもので、68歳だった。事務所によると萩原さんは2011年より闘病していたところ容体が急変し、妻でモデルの萩原リカさんに看取られ息を引きとったという。故人の遺志に従い葬儀は家族のみで営まれ、27日に都内斎場で荼毘(だび)に付された。
萩原さんは1950年7月26日生まれの埼玉県出身。1967年にグループサウンズを代表するバンド、ザ・テンプターズのボーカリストとしてデビューし、「神様お願い!」などのヒット曲を発表した。
1972年の松竹映画『約束』で高い評価を得たことから、本格的に俳優に転身。新人刑事マカロニを演じた刑事ドラマ「太陽にほえろ!」(1972年~)で絶大な支持を集め、以降も水谷豊さんと共演した探偵ドラマ「傷だらけの天使」(1974年~)や倉本聰さん脚本の「前略おふくろ様」など、現在まで語り継がれる作品に出演した。
映画では、野村芳太郎監督の『八つ墓村』(1977年)、黒澤明監督の『影武者』(1980年)と名匠の作品に出演。『誘拐報道』 (1982年・伊藤俊也監督)、『恋文』(1985年・神代辰巳監督)では、日本アカデミー賞優秀男優賞を受けたほか、『いつかギラギラする日』(1992年・深作欣二監督)や小栗旬さん主演の『TAJOMARU』(2008年・中野裕之監督)など多数の出演作をもつ。
2017年にデビュー50周年を迎え、アルバムをリリース。昨年もNHKドラマ「不惑のスクラム」「どこにもない国」に出演。精力的に活動していた。(西村重人)