ティム・バートン監督、学校になじめないと悩む子供たちへメッセージ
ディズニーアニメーションの名作『ダンボ』を実写映画化したティム・バートン監督が来日時にインタビューに応じ、自身の経験を交え、学校になじめないと悩む子供たちにメッセージを贈った。
本作の主人公である小ゾウのダンボも、大きな耳をバカにされ、周囲になじめずにいる。バートン監督は「僕がアニメーション映画『ダンボ』を愛している理由は、映画そのものというよりも、この映画が象徴しているものが僕にとって意味があるからなんだ。ダンボは奇妙で、風変わりで、他の皆とは違うと思われている。僕はいつも、自分もそういう風に見られていると感じてきた。ディズニーで働いている時でさえ、僕は自分が変人のように感じたんだよ」と笑う。
「だけどダンボはその大きな耳で空を飛び、欠陥のように見えるかもしれないものが、美しいものに変わる……。それが僕にとっては素晴らしいシンボルだったんだ」
4月からは新学期が始まる。学校になじめないと悩む子供たちも出てくるだろう。「理解できるよ、信じて。僕もそうだったから。その苦労は知っているし、僕も悩んだ」とバートン監督。かつての自分と似た境遇にいる子供たちに向けて「ただ自分のベストを尽くすだけでいいんだ。そうでなければ、圧倒されてしまい、考え過ぎてもっと落ち込んで悲しくなってしまう」と切り出した。
「秘けつは、ちょっとした“何か”を見つけること。音楽を聴くのでも、読書をするのでも、君が好きでポジティブに思えることなら何でもいいんだ。絵を描くのでも、文章を書くのでも何でもいい。全ての人が学校にいるわけじゃない。学校を切り抜けられたら人生において助けになるけど、そのことで落ち込み過ぎないようにして。何かポジティブなものを見つけて、それを小さな光として持ち続けて」
バートン少年にとってそれは「絵を描くこと」であり、「何でもいいんだ。悲しくて嫌なことがあったら、ポジティブに感じられることをして。何かいいことを。それは誰にとっても助けになるはずだよ」と力を込める。そうすればきっと、ダンボのように飛ぶこともできる。「そう! ダンボはまさにそのシンボルなんだ」とほほ笑んでいた。(編集部・市川遥)
映画『ダンボ』は公開中