“小説家”松井玲奈、インスピレーションの源を語る!
女優の松井玲奈が6日、都内で行われたデビュー短編小説集「カモフラージュ」刊行記念トークイベント前に囲み取材を行い、インスピレーションの源や発売の喜びを語った。
本作には、「小説すばる」2018年11月号に掲載された短編「拭っても、拭っても」をはじめ恋愛からホラーまで、多種多様な表現でつづった6編を収録。発売日即重版が決定するなど、大きな話題を呼んでいる。
小さい頃から自宅にあった絵本などで“読むこと”に親しんできたという松井。「自分が書いた文章が、こうして本になって本屋さんに並んでいるのを見るのは嬉しい」と笑顔を見せると、「食べ物が出てくる小説や映像作品が好きなので、“食”をテーマにした6編を作りました」と作品コンセプトを語る。
NHK連続テレビ小説「まんぷく」では朝ドラ初出演を果たすなど、女優としての活躍が目覚ましいが、執筆は現場の移動や休みの日に喫茶店で行っているそう。「アイデアはいろいろなときに思い浮かびます。例えば街中で見かけた女の子のかかとに絆創膏が張ってあるのを見て違和感を抱いたことに着想を得たのが『拭っても、拭っても』だし、ブリューゲルの作品からインスピレーションを受けたものもあります」と常に好奇心のアンテナを張り巡らせているという。
作品のなかには、個性的なキャラクターが登場するが「実体験はほぼないですね」ときっぱり。自身の作品の映像化には「気に入った方がいれば嬉しいですが、わたしが出たいという気持ちはまったくないです。自分が出ちゃうと、キャラクターがわたしのイメージになってしまうので」とパーソナルな自分とは切り離した創作活動であることを強調していた。
SKE48を卒業後、精力的に“表現”することにまい進している松井だが「こうして本を出させていただけたので、また次もしっかり出せるように……」と語ると同時に、「芝居も変わらず頑張っていきたいです」と意欲を見せた。(磯部正和)
「カモフラージュ」は発売中