コナン声優は切磋琢磨してきた同志!京極真役・檜山修之が語る
テレビシリーズが1996年に放送開始して以来、国民的アニメとして愛される「名探偵コナン」。劇場版の最新作『名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)』(4月12日公開)のキーパーソン・京極真の声優を務めるのは「幽☆遊☆白書」飛影役、「BLEACH ブリーチ」斑目一角役などでも知られる人気声優の檜山修之だ。20年間、京極を演じてきた檜山に、変わらない魅力を届け続ける秘訣を聞くと、それは『コナン』アフレコ現場の空気にあるという。
京極はツワモノぞろいの『コナン』界でも空手では最強とされる高校生。一見コワモテでありながら心優しい青年で、ストーリーにたびたび登場し人気を獲得してきた。今回、劇場版に初めてフル登場し、シンガポールを舞台にド派手なアクションを見せつける。
1999年のアニメ初登場から京極を演じる檜山。年齢の変わらないキャラクターを数十年という長い間演じ続けるのは声優ならではと言える。大きな苦労がありそうだが「僕は苦労はあまり感じないんですけど、人から『老けたね』って言われないようにしたいです。自分自身は変わってるとは思わないんですけど」と苦笑する。
そうした裏には『コナン』という座組の「空気の良さ」があると明かす。主人公・江戸川コナン役の高山みなみ、その本来の姿である工藤新一役の山口勝平、ヒロイン・毛利蘭役の山崎和佳奈らレギュラー声優陣を中心とした『コナン』アフレコ現場の空気とは。
「みなみさんを中心にずーっと20数年空気を作っていらっしゃるので、僕らみたいなゲストキャラがパっと行っても、“ここがコナンの現場だよね”という空気に接すると、自然と京極というキャラのスイッチが入ります。それはレギュラー陣がそういう空気を作れているんじゃないかと思います」
20年以上続く『コナン』制作現場には経験の蓄積と、それと共に培われてきた仲間同士の信頼がある。それは大きな強みだという。
「20年以上続いてはきましたが、もともと『コナン』が始まった時からみなみさんにしろ、和佳奈さんにしろ、『あんまり出番ないんだよ~』とぶーぶー言ってる勝平さんにしろ(笑)、ほぼ同じ時間を同じ世界で切磋琢磨してきた、同年代の役者たちの集まりなんです。仲間って言ったらちょっと違うかもしれないですけど、そういう人たちとガッツリやれる現場っていうのが数少なくなってきていますので、そういった意味でも『コナン』は楽しい現場です」
“同志”が集まる場。それだけに緊張感も生まれる。檜山は「収録中に油断をしたり、万が一気の抜いたキャラづくりをしたりすれば絶対にバレますし、一番バレたくない連中です」と笑いながらも、どこか誇らしそうだ。
「レギュラーのみなさんはどう感じているかわかりませんけど、僕がたまに行っても勝手知ったる仲間たちの中に入ると心地いいし、やりがいもある。隙を見せたら後ろから共演者に刺されるみたいな(笑)、いい意味での緊張感がある現場なのでとても楽しいです。それがおそらくいい相乗効果を生んでいるんじゃないかなと思います」
檜山自身が長く声優を続けるなかでのやりがいとしては「出会い」を挙げる。
「我々の仕事は受け身なので、例えば京極も僕がやらせてくれって言ってやれるわけではないですから。誰かしらが僕を選んでくれる、選んでもらえることにもある種の醍醐味がありますし、そうした出会いが楽しいんでしょうね。新しいキャラクター、新しい仕事と出会いたいし、出会えるように自分も常に磨かなければならない。そのやり取りというか、リズム。それが楽しいんでしょうね」
歴史ある『コナン』にまつわる思い出を聞くと、『コナン』の座組で熱海に泊りで旅行に行ったことを明かした檜山。キャスト・スタッフ皆仲が良いといい、「僕とみなみさんと和佳奈さんと千葉一伸だったかな。目的地は熱海だったんですけど、スケジュールが空いたので先に遊びに行って下田まで足を伸ばして、ぶりしゃぶを食べたのはいい思い出です」と目を細めていた。(編集部・小山美咲)