日本映画が大人気! ウディネ・ファーイースト映画祭って?
現地時間4月26日から5月4日まで、イタリアで開催中の第21回ウディネ・ファーイースト映画祭。日本からゲストとして参加した映画『JK☆ROCK』の六車俊治(むぐるましゅんじ)監督にその魅力を聞いた。
北イタリアにあるウディネで毎年行われる同映画祭では、イタリアであまり観る機会のない東アジアや東南アジア各国の映画を上映。今年は日本から『翔んで埼玉』をはじめ、音楽を諦めた青年が女子高校生バンドと接するうちに音楽への情熱を取り戻す姿を描いた『JK☆ROCK』や、日本酒のドキュメンタリー『カンパイ! 日本酒に恋した女たち』などが招待された。
六車監督は「イタリアは3回目で、この街は初めてなんですけど、街自体が素晴らしいですよね」と観光客があまりおらず、石畳の美しい街並みが残るウディネがすっかりお気に入り。ここに来る前はチェコやハンガリーに寄ったが、食事が口に合わず、日本食が恋しかったそうだが、「イタリアに入ったら、日本食がいらなくなりました。食事もおいしいし、酒がうまい。これが大きい」とあらためて感じたようだ。
ウディネの観客はみな温かく、『JK☆ROCK』の上映でもたびたび笑いが起こり、エンドロールでは手拍子が始まるなど大盛り上がりで、「リアクションがすごくいいですよね。映画館の中でお客さんの反応が効果音になるっていうのを感じました」と六車監督。俳優や監督といったゲストと観客の距離が近いのも本映画祭の魅力で、会場の外で監督に話を聞いていると、ファンが監督にサインを求めてくる一幕も。
六車監督は「日本語が結構うまい人がいるんですよ。上映前とかに日本語で話しかけてくるんです。独学で勉強しましたとか、映画で勉強しましたとか、しゃべれるんですよ。結構、日本の映画を観ているんですよね。イタリア人は気質がオープンマインドじゃないですか。だから、どんどん積極的にコミュニケーションを取ってくるんです」と驚いた様子。
そんな監督自身も、映画祭のゲストとして参加する香港のスター、アンソニー・ウォンと写真を撮りたいといい、「今回一番の楽しみです。大好きなんで、妻に写真を撮ってもらおうと。アジアの大スターに会えるっていうのは(この映画祭の)醍醐味じゃないですか。そういう楽しさが満載ですよ!」とイチ映画ファンとして本映画祭を満喫していた。(取材・文:編集部・中山雄一朗)