ペネロペ・クルスに生涯功労賞!サンセバスチャン映画祭
スペイン女優ペネロペ・クルスが、スペインのバスク地方で9月に開催される第67回サンセバスチャン国際映画祭で、生涯功労賞にあたるドノスティア賞を受賞することがこの程、同映画祭から発表された。受賞についてペネロペは「この素晴らしい名誉を与えてくれたサンセバスチャン国際映画祭に、心からの感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントを寄せている。
同映画祭はスペイン最大級の映画祭として知られ、昨年は約17万5,000人が参加した。サンセバスチャンのバスク語表記であるドノスティアの名が付けられた同賞は1986年に創設され、米俳優グレゴリー・ペックを皮切りに、アル・パチーノやアンソニー・ホプキンス、フランシス・フォード・コッポラ監督など錚々たる映画人が受賞してきた。昨年は、同映画祭の常連監督でもある是枝裕和監督に贈られ、壇上で亡くなった樹木希林さんへの思いを涙ながらに語って話題を呼んだ。
スペイン人俳優の受賞は、『ミツバチのささやき』(1973)のフェルナンド・フェルナン・ゴメス、『アタメ』(1989)のフランシスコ・ラバルおよびアントニオ・バンデラス、『スガラムルディの魔女』(2013)のカルメン・マウラに続いて5人目。ペネロペは『それでも恋するバルセロナ』(2008)で米アカデミー賞助演女優賞を受賞し、スペインのゴヤ賞でも3度栄冠を勝ち取るなど申し分ない経歴で、夫で俳優のハビエル・バルデムよりも先に名誉を授かることとなった。
ペネロペにとっても、女優人生を彩ってきた思い入れの深い映画祭のようだ。初めて参加したのは、スクリーンデビュー間もない2014年に主演した映画『トド・エス・メンティーラ(原題) / Todo es mentira』の時。以降同映画祭は、『裸のマハ』(1999)、『ある愛へと続く旅』(2012)と、ペネロペの経歴の中ではあまり脚光が当たらなかった作品を選出し、彼女の成長を見守ってきた。
さらに2017年にはハビエルと共演した『ラビング・パブロ(原題) / Lobing Pablo』で、夫婦揃って参加している。ペネロペは「サンセバスチャンは国際的に有名なだけでなく、わたしにとっても若い頃から参加していた特別な場所です」と語っている。
同映画祭ディレクターのホセ=ルイス・レボルディノスは受賞理由について「ペネロペ・クルスは賞賛に値する素晴らしい女優であり、彼女とともにわたしたち映画祭も歩み続けてきました。彼女の足跡は映画祭のイメージそのものであり、彼女に授与できることを大変うれしく思っています」と語っている。
なお、ペネロペは今年の映画祭を代表する存在として、公式ポスターにも起用されている。第67回サンセバスチャン国際映画祭は9月20日~28日に開催される。(取材・文:中山治美)