窪田正孝、初カンヌに「感無量」!三池崇史監督と息ぴったり会見
第72回カンヌ国際映画祭
現地時間15日、第72回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された三池崇史監督作『初恋』の日本メディア向け会見が現地ホテルで行われ、主演の窪田正孝と三池監督が息ぴったりの掛け合いを見せた。三池監督にとってカンヌ映画祭は2年ぶり7回目、窪田にとっては初。二人がテレビドラマ「ケータイ捜査官7」以来約10年ぶりに主演&監督でタッグを組んだ本作は、ヤクザが入り乱れる異色のラブストーリーとなった。
カンヌ無量
窪田:三池さんと約10年ぶりにご一緒させていただいて、こうやってカンヌという聖地に連れてきていただいて、今、感無量です。
三池監督:“カンヌ無量”って言った?
窪田:カンヌじゃないです! 感無量です! やめてください!
窪田の原点は三池監督の現場
三池監督:すごく感謝したいのは、国民的大スターになった窪田さんが、この台本を読んで「絶対やる!」と言ってくれたこと。やっぱ、いい奴だなと(笑)。もともと「ケータイ捜査官7」のオーディションで出会い、「ケータイ捜査官7」を観たNHKのプロデューサーたちに主役に選ばれて頭角を現し、『十三人の刺客』(三池監督作)でも十三人の一人を演じてもらったという経緯がありまして。非常に忙しい中(※窪田はこの日到着したばかりだが、ドラマ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」の撮影のため翌朝には発つ)、こうやって作品のために駆けつけてくれてうれしく思います。
窪田:右も左もわからない19歳の時に初めて三池さんとお会いして、その時の印象が本当に忘れられなくて……すごく怖い人が真ん中にふんぞり返って座っているっていう。
三池監督:ふんぞり返ってはないよ(笑)。
窪田:っていうのが最初にあったんですよ! そこで1年間もんでいただいて、現場で感じさせてもらった、見させてもらったという印象が本当にあります。『十三人の刺客』の時も先輩方の背中を見ながらずっと葛藤していて、また三池さんの一番近くに行きたいなとか、勝手に思っていて。「ケータイ捜査官7」のメイキングでは「10年後、あいつを(主演に)選んだ理由がわかる」と言ってくれていました。その10年後にまた、三池さんの世界に没頭できて幸せでした。
柔らかさが出てきた三池監督
窪田:三池さんは昔に比べると、とげがなくなった。内から光っているものというか、“色”は濃くなっているんですよ。でも、その先端に柔らかさが生まれたというような印象は、生意気ながら感じていました!
三池監督:それはですね、3年ほど前にちょっと腰を痛めまして、クラッチのある車(マニュアル車)に乗れなくなってしまったんです。今は乗れるんですけど。しかし「クラッチのない車なんか車じゃねえ!」と思っていたのが、クラッチを踏めない男になったというところから、何か柔らかみが出てきているのだと思います。
「遠い親戚みたい」は遠すぎる?
窪田:三池さんの人柄は変わっていなくて、僕の舞台にも来てくださったりして、勝手に“遠い親戚のおじさん”のように思っていまして。三池さんが『無限の住人』などでカンヌに行かれている、そういう記事を見るたびに「自分も行きたいな」というか、「自分はいつになったらまた三池さんと仕事ができるんだろう」とくすぶっていた部分もあるんですけど、でも離れているところで自分もちゃんと頑張って、今やるべきことをやらなくてはと思ってやってきました。その中で“再会”できたことは大きいですし、やっぱり10年前の出来事が自分の原点なのだと思います。
三池監督:……遠い親戚って遠すぎない?(笑)
窪田:遠いような近いような存在ということが言いたかったんです!
公式上映は17日に行われ、「ドラマ中なので、明日朝4時くらいに起きて日本に戻らないといけなくて。現地の皆さんの反応が見られなくてちょっと残念」という窪田は参加できないものの、三池監督とヒロイン役の小西桜子がQ&Aを行う予定となっている。(編集部・市川遥)
映画『初恋』は2020年全国公開
第72回カンヌ国際映画祭は現地時間5月25日まで開催