どうなるパルムドール?韓国映画『パラサイト』が高評価!
第72回カンヌ国際映画祭
第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されているポン・ジュノ監督作『パラサイト(英題) / Parasite』(韓国)が海外メディアから高く評価されており、是枝裕和監督の『万引き家族』に続きアジア作品が連続で最高賞パルムドール獲得となるか注目されている。各賞が発表されるクロージングセレモニーまではあと6時間ほどだ。
『パラサイト(英題)』は、全員無職で半地下の家で暮らすギテク一家(ソン・ガンホら)が、徐々に裕福なパク家に入り込み、寄生していくさまを描いたブラックコメディー。貧富の差の問題を扱いつつ思わぬ展開の連続で、神がかったレベルでエンターテインメント性と社会性を両立しており、まさにポン監督の面目躍如といったところ。プレス試写では上映後に最も烈々な拍手喝采が送られていた。
映画祭では各国メディアの批評家による採点を集めて掲載する「星取表」が配布されており、同作は Screen International 誌では4点満点中3.4点という最高評価を獲得。3.3点でペドロ・アルモドバル監督の『ペイン・アンド・グローリー(英題) / Pain And Glory』(スペイン)とセリーヌ・シアマ監督の『ポートレイト・オブ・ア・レディー・オン・ファイアー(英題) / Portrait Of A Lady On Fire』(フランス)が続いた。『パラサイト(英題)』は Le film francais 誌でも『ペイン・アンド・グローリー(英題)』に次いでパルムドールに推す声が多い。
『ペイン・アンド・グローリー(英題)』はアルモドバル監督の自伝的な作品で、幼少時代、母親との関係、かつて見つけた本当の愛、映画監督としての悩みなどが描かれ、主人公サルバドール役のアントニオ・バンデラスは次第にアルモドバル監督そのものにしか見えなくなる。結婚を控える女性と女流肖像画家を主人公にした『ポートレイト・オブ・ア・レディー・オン・ファイアー(英題)』は二人の女性が恋に落ちる過程を見事に可視化したラブストーリーで、コンペで競うグザヴィエ・ドラン監督も絶賛していた。
今年の審査員長は『レヴェナント:蘇えりし者』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督だ。(編集部・市川遥)
第72回カンヌ国際映画祭は現地時間5月25日まで開催