湯浅政明×松本大洋×野木亜紀子!ミュージカルアニメ『犬王』2021年公開
古川日出男の小説「平家物語 犬王の巻」(河出書房新社)が、監督・湯浅政明、キャラクター原案・松本大洋、脚本・野木亜紀子によって長編ミュージカル・アニメーション映画化され、2021年にタイトル『犬王』として公開されることが明らかになった。
「平家物語 犬王の巻」は、「平家物語」の現代語訳を手掛けたことのある古川が、「平家物語」に連なる物語として能楽師・犬王の実話を基にした物語。能楽を題材に、南北朝~室町期に活躍し、世阿弥と人気を二分した犬王の生きざまが、今回の映画化でミュージカル・アニメーションとして描かれる。
映画化にあたり集結したのは、日本を代表するトップクリエイターたち。監督は『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』や、公開を6月21日に控える『きみと、波にのれたら』などの湯浅政明。
湯浅監督とテレビアニメ「ピンポン THE ANIMATION」(2014)以来のタッグを組み、原作「平家物語 犬王の巻」の装画を務めた「鉄コン筋クリート」などの人気漫画家・松本大洋が、初めて小説原作のキャラクター原案を手掛ける。
そして脚本は、人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などを世に送り出し、初めてアニメーション映画の脚本に挑む野木亜紀子。この組み合わせを聞くだけでワクワクし、楽しみしかない! と心躍る人も多いだろう。以下にそれぞれのコメント全文を掲載する。(編集部・小松芙未)
原作者・古川日出男
私が書いたのは芸能についての小説だ。芸能とは歌であり演奏であり、感情、感動である。私は文字だけでその物語化を成し遂げようと試みた。今回、それらは一冊の本の内側から解き放たれる。すなわち音が、声が、色彩が。それから感情が、もちろん感動が。その監督やその脚本家やそのキャラクターの設計家や、音楽家や、その他その他によって、それらはついに放たれるのだ。
監督・湯浅政明
歴史にはわずかにしか書き記されていない、「犬王」という猿楽師を大胆に解釈された古川さんの物語。野木さんの脚本。松本さんのイメージ。……これは面白くなるしかないですね。楽しみにしててください!
キャラクター原案・松本大洋
湯浅監督はじめ作品に関わる人間が楽しんで作ることができたら、きっとすごいアニメーションになると期待しています。僕も邪魔にならないように、少しでも力になれたら嬉しい。
脚本・野木亜紀子
古川さんが著した「平家物語 犬王の巻」を読んだときの高揚と切なさをどう脚本に落としこむのか、地の文からどう世界をすくい上げるのか、難しくもやり甲斐のある仕事でした。アニメ表現は無限であり実写の何倍も出来上がりの予想がつきません。松本さんのキャラクターと湯浅監督が織りなす『犬王』がひたすらに楽しみです。